ウレタンペイントの脆化!!

1月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例4です。

写真は、DiorHomme の長袖Tシャツの首部分です。

白いペイントの一部が脱落しているとの苦情です。

ポリウレタンの人工皮革の経時劣化は何度も説明しましたが、最近のペイントは、ウレタンペイントが使われることが大半の為、同じような現象が起こります。

特に首回りは、汗や、皮脂、日光の複合作用が顕著に起こりやすい部分で、加えて脱着時の伸縮作用が加わり、ウレタンペイントの加水分解による脆化が著しく、クリーニング時の揉み作用により顕著化した物と考えられます。

Tシャツ等に使用されるウレタンペイントは、いくら丁寧に扱っても経時劣化により1~3年で必ず剥がれてくる物と考えて購入して下さいね!

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絶対に日焼けでは無い!!??

1月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例3です。

コートの肩から袖にかけて変色しています。

素材は、ナイロン72% ポリエステル18% と記載されています。

お客様は、クリーニング店より持ち帰り、持ち帰りカバーを掛けたまま、その上から白布をかけて保存していたので、日焼けでは無くクリーニングによる物と主張されております。

白布を掛けて保存されていたと云う事ですから、お客様の云う通り、日焼けでは無いと考えられます。

本来、私たちが、この商品を見て、最初に考えるのは、1)日焼け 2)ガス退色 の2つですから、ガス退色が有力と成ります。

もう一度全体を観察すると、裾の部分にも変色が見受けられますし、持ち帰りカバーを掛けたままの保存であることから、自動車などの排気ガスや、コンロ、暖房器具から出るガスによる、ガス退色であると、確定されます。

持ち帰りカバーは、クリーニング店から家庭までの間での使用が限定される物と考えていただき、保存時には外して、不織布のカバーに付け替えて保存していただくのが一番です。

当店では、DXコース及び、W&Dコースの商品には片面が不織布に成ったカバーを使用していますが、このカバーは、そのまま保存していただいても大丈夫ですよ!!

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一部糸の脆化!

1月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

クリーニングから返ってくると、パンツの裾が変色しているとの苦情です。

素材は、毛70% 絹25% ナイロン3% ポリウレタン2% と表記されています。

全体を観察すると、股下や、ウエストの内側にも同様の変色があります。

上は、変色部分の境目を顕微鏡で観た写真です。(ちょっとピンぼけですが・・・・・・・・・)

明るい色の糸が無くなっているのが解ります。

この事から、耐久性の薄い絹素材が、着用中の擦れにより脆化し、クリーニング時の揉み作用に耐えることが出来ず脱落した為、遠目でシミの様に見えたと考えられます。

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目で見て解らなくとも!!

しばらく、ブログの更新を放置しておりましたm(_ _)m

11月半ばから1月初めまで風邪を長引かせてしまい、私の風邪が治った頃、レジに使用しているPCやリビングにおいているPCが相次いで風邪(ウィルスではなく単なる不具合)をひいた為バタバタと!!(いいわけです!)

12月の苦情委員会は、風邪の為欠席しましたので、画像がありませんm(_ _)m

さて、明日から弥生(3月)ですが・・・・・・・

1月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1から再開です。

上の写真はアルマーニのパンツです。

太もも辺りが黒ずんでいるとの事です。

クリーニング店ではドライクリーニングしか行っていない為、ドライクリーニングでは取り切れない水溶性汚れの蓄積では?と説明したそうですが、お客様は納得せず、鑑定に持ちこられた物です。

上記の写真の様に一見目では解らなくとも、ブラックライトを照らして見ると、オシッコや汗の跡(アミノ酸反応が有る為)などがハッキリ見えます。

スラックスの場合、一見汚れが目立たなくとも、年に一度(衣替えの時期)は、水を使った処理(当店ではW&Dコース)をお勧めします。

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ポリエステルの紫外線による退色!

8月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例その2です。

写真はポリエステル100%のパンツです。

同じような色の違うパンツがもう一本ありました。

顧客はクリーニング前は異常なかったと云い、クリーニング店はクリーニング前からこの状態であったと云います。

変色は境界がはっきりしており、薬品やガスによる物では無さそうです。

紫外線による物と思われますが、ポリエステル繊維は数日で変色する物ではありません。

ここまで変色するには、一ヶ月近くか、もしくはそれ以上かかります。

2本のパンツが複雑に重なり合い、家庭で物干しの足下あたりに長期間放置されていたと考えるしかありません!!

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シルクワンピースの移染!

暫く更新をサボってしまいました <(_ _)>

ちょっと古いですが、兵庫県クリーニング組合苦情審査会8月の事例です。

写真は神戸のALEFという会社のシルクプリントのワンピースです。

ケアラベルには、シルク80%、ポリエステル20%と表示があります。

手触りでは白のプリント部はシルク100%に感じます。

ドライクリーニングをすると、ウエストの黒のベルト部分から移染しました。

どうやら黒いベルト部分はポリエステル100%の様です。

なぜベルト部分もシルクにしなかったのでしょう?表示も疑問です?

昔はシルクの染色が悪く、よく移染したものでしたが、最近は、ポリエステルからの移染がほとんどで、白黒の様なコントラストの大きな製品は注意が必要です。

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飾りボタンによる傷!

 

6月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

写真は、JUICY COUTURE のダウンベストです。

表地はポリエステル100% 裏地は綿100%となっております。

ワンポイントとして大きな飾りボタンが付いていますが、

着用時や洗浄時、乾燥時にボタンと、周りの生地が接触を繰り返し、

生地に傷が付いた物と考えられます。

ダウンと云う素材上、乾燥時間も一般衣料の3倍以上の時間を要します。

ケアラベルには、ドライクリーニングとウエットクリーニングの両方が可能、

タンプルドライ(回転式機械乾燥)も可能との表示があります。

この様に成ることが解って織れば、一般的な商品では、

ボタンを取り外してから処理するのがベストですが、

ダウンの場合、縫い糸の穴からでさえ、ダウンの吹き出しが起きる為、

必要以上に針を使用することは厳禁です。

又、ボタンをアルミ箔や、マジックテープカバー等で保護してから洗う方法も、

アルミ自体による傷や、マジックテープによる傷が出来る可能性が有ります。

(ポリエステルとマジックテープは相性が良すぎ、傷が出来やすい!!)

やはり、デザイン性を優先させ、対クリーニング性能を無視した作りに成っていると考えざるをえません。

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アセテート素材のベロア製品!

6月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例其の1です。

写真はアセテート75% ポリエステル18% ポリウレタン7%のベロア地のジャケットです。

黒い生地の中に白く成っている所が多数見受けられます。

顕微鏡で確認すると、毛並みが乱れ、光の乱反射の為か、

染料が脱落し透明に成ったかの様に見える繊維部分が生地の中で白く見える部分です。

雨等の影響で、繊維が乱れ、写真の様に成ることが多く見受けられます。

クリーニング中に成る場合は、部分的ではなく全体に起こるのが常です。

正確な原因は確定出来ませんが、ベロア地は、雨だけでなく、着用時の擦れ、

椅子に座ったときなどの圧力等、様々な外圧により毛並みが乱れる事により目立ちます。

購入時には、生地の特徴を理解した上、また、着用時には十分注意して下さいね。

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アクリルファーのコート!

5月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

写真は、テイラー・ベントのアクリルファーのコートです。

元々は、「プードル」みたいな風合いだったそうです。

ケアラベルには、

表地 :ポリエステル100%

中綿 :アクリル    70%

ポリエステル 30%

と、記載が有りますが、商品素材に対し正しい表示ではありません。

アクリル起毛の生地は、クリーニングすると、必ずと云っていいほど

風合いが変化します。これは、アクリルの特徴です。

繊維の特徴を知らないデザイナーが見た目で生地を選んでコートにした、

企画間違いの商品としか云えません。

コートの裏地などによく使われているこのアクリルファーは、

クリーニングすると、毛が絡んだりして、見た目も必ず変化します。

裏地では、あまりクレームには成りませんが、表地となると....

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DUVETICAのダウン!

久々のBlogの更新です m(_ _)m

数年ぶりに新しいPCを組み立てましたが、

最新の機種にWindows7と、古いXPをマルチインストール!

XP用のドライバーを探し、構築の順番を試したり、何度もOSのインストールを繰り返し、

XPの古さを痛感した一月でした。

さて、5月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例其の1です。

写真は、DUVETICA(デュペチカ?)のダウンジャケットです。

ポリウレタンコーティングされた生地に丸い火傷の水ぶくれ様の傷や、

皺状の傷が多数見られます。

クリーニング店では、ウエットクリーニングされたとの申請です。

しかし、事故品を見る限りドライクリーニングされたように感じます。

ケアラベルには、ウエット、ドライクリーニングどちらも問題無いようになっております。

ポリウレタンの経年による経時劣化か?と思ったのですが、

メーカーによると昨年の11月製造の製品で、製造後半年ほどの製品であることがわかりました。

数年前に製造された物であれば不思議では無いのですが、

最近の製品でこの様な状態になるのは非常に不思議です!

不思議なことがまだ有ります。

ケアラベルをよく見ると、

表地:ナイロン100%  ポリウレタンコーティング

と表示されるべきところ

表地:ナイロン55%  ポリウレタン45% と誤表示されており

また、手洗いは30秒以内の脱水と付記されています。

ダウンの場合、脱水は5~10分されるのが普通であり、

業務用の機械では、30秒の脱水が出来る機種は少ないと思います。

以上のことから、商品企画自体に問題がある欠陥商品で有ると云わざるを得ません。

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