火事にならなくてよかったです!

昨年12月の苦情審査会の事例其の4です。

喪服をクリーニング後に着用中に穴があいている事を指摘されたそうです。

ジャケットに大小合計4つの穴が!

丁度胸を上に二つ折りに、胸の穴が一番大きく、其の次が背中、其の次がお尻、一番小さいのが表の裾部分でした。

式の時上着を二つ折りにして置いている時に、たばこを上着の上に落としたためであると考えるのが妥当です。

もう少しで火事になっていた事でしょう!

たばこの火の始末にはくれぐれもご注意下さい!

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ストラップにご注意下さい!

昨年12月の苦情審査会の事例其の3です。

写真は、カッターシャツの襟です。

襟首の後ろ側同じ位置に青いシミがあります。

クリーニングから帰ってきたときには綺麗になっているが、

一日着用後に必ず同じようなシミが出来ているので、クリーニングに問題が有るのではとの事でした。

着用後のシミですから、クリーニングに問題がないのは明らかです。

着用後に同じ位置にシミが出来るのは、生活習慣に問題点が有るからです。

さて、考えられる原因ですが、

最近名刺や、身分証明書を首に掛けるストラップが流行っていますが、

ストラップの染色堅牢度が悪く、ストラップからシャツに移染した可能性が高いと考えられます。

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ストレッチ糸のセット不良!

昨年12月の苦情審査会事例其の2です。

写真は、ERMANNO SCERVINO のコートです。

クリーニングにより、袖丈6㎝、腕周り4㎝、裾周り3㎝ 収縮したとの事です。

キルティング部分を観察してみると、キルティングに使われている糸も、伸縮性がありポリウレタン弾性糸であると想像できます。

弾性糸は、本来製品化の際にヒートセットという加熱行程によって一定のサイズに安定する様に加工されているはずですが、このセット加工が不十分だと縮み易いのです。

昔の様に、弾性糸を使わずに、普通の糸で、伸縮性を持たせた縫い方をしていれば、このような事にはならなかったといえます。

製品、特に製造前の企画に問題が有った代表例ですね。

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ポケットに物を入れるのは注意して下さい!

3月も半ばを過ぎてしまいましたが、去年の12月の苦情審査会の事例から始めます!

長らくほったらかしで申し訳ありませんでした m(_ _)m

最初の写真は学生スカート、2枚目は、紳士スラックスです。

クリーニングから戻ると、写真の様になっていたとの事でした。

共に、ポケットの下側に位置しています。

顕微鏡検査をすると、切れた繊維の先端が一様に箒状になっています。

この特徴は、羊毛繊維独自の物で、長期間の摩擦の繰り返しによって発生する現象です。

この事から、ポケットに物を入れた状態で着用し、長期間にわたって物によって膨らんだ部分の繊維が、繰り返し摩擦を受けた事によって摩擦断裂していた事が原因である事が説明できます。

又、クリーニング後に損傷が目立ったのは、クリーニング前は摩擦断裂した繊維が生地構造内に残っており、クリーニングにより繊維屑として除去されたり(スカートの場合)、汚れにより目立たなかった物が、クリーニングにより綺麗になり白化が目立った(スラックスの場合)等の理由が考えられます。

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ウォータースポット!

11月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会事例其の1です。

写真はスカートの前部中央から左です。

組成表示は、レーヨン83% ポリエステル17% となっております。

左の縫い目右側に黄色い筋が見えると思います。

ドライクリーニングすることで、全体の油性汚れと埃が取れた為表面化した物です。

ドライクリーニングが原因ではなく、ケアラベルのデメリット表示に有る様に、レーヨンの特徴として、水によるシミが出来やすいのです。

スカート前部に大きな円形のシミが出来ている事から、座っている状態で

水をこぼしたために出来たものと考えられます。

デメリット表示に有るようにクリーニング(ドライクリーニング)してもシミは取れませんが、ウエットクリーニングする事できれいになる可能性が高いと考えます!

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組成表示不良!

 

最近更新をサボっていてすみませんm(_ _)m

久々に面白い事例に出会いました。

10月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会事例その1です。

写真はポリエステル100%のドレスです。

染み抜きをすると上の写真の様に繊維が溶けてしまいました。

ポリエステルが溶ける溶剤ではない為、

クリーニング店がメーカーに問い合わせた所

「組成表示に間違いは無い、クリーニング店側で組成表示に間違いを証明出来れば賠償に応じる」との返事が来たそうです。

本来は、メーカー側がミスがない事を証明すべきなのですが!!

普段は、裁断不可での依頼がほとんどですが、この度は、裁断可 での依頼でした。

その為、当苦情審査会において、簡単な実験を行いました。

まず、2cm角に生地を切り取りました。

アセトンを入れたビーカーに生地を浸します

 

みるみる横糸が溶けて行き、縦糸がバババラに成りました。

この実験で、横糸が「アセテート100%」で有る事が証明出来ます。

これら実験結果を送った所、メーカーもミスを認め、賠償に応じたそうです。

本来、組成表示の間違いには、結構の罰金が発生するそうなのですが!!

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手織りの暖簾!

7月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例2です。

写真は麻素材らしき暖簾です。

帯状に色の変化があります。

横糸途中での変色はなく、変色幅が同じである事から、

手織物によくある、糸のロット違いによる色斑と考えられます。

クリーニング前は、全体に汚れていた物が、クリーニングすることにより、汚れが取れ、色斑が顕著化したと考えられます。

時間が経つと購入時の状態は覚えていない物です!!

ダウンコートでバイクはNG!

7月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例そのⅠです。

写真のダウンロングコートですが、すそに穴が!!

熱で溶けた穴である事は観ただけで判ります。

又、近くに煤状の汚れが数カ所有ります。

クリーニング店で起きる事故とは考えにくい状態です。

形状、位置等から、高温に成ったパイクのマフラ-に触れたか、

マフラーの側にいてマフラーから飛び出した高温の煤に曝された可能性が高いです。

確定は難しいですが!!

銀色のコート!

6月の苦情審査会の事例です。

写真は 綿52% 麻48% シルバーの金属箔プリントがされています。

本来はもっとシルバーな色合いだったのでしょう!

石油ドライ指定でしたが、業者が間違って、パークロルエチレンで洗ってしまったとの事です。

未処理のボタンと比較するとハッキリ判りますね!

しかし、指定である石油ドライ溶剤を綿棒に付け共布を擦って観ると簡単に金属箔がはげてしましました。

間違ってパークロルエチレンで洗ってしまった業者にも責任がありますが、

石油系溶剤で洗っていたとしても事故に成っていたと考えられます。

このように、金属箔プリントや、顔料染め、ウレタンプリントなど、石油系溶剤指定に成っている商品の多くは、ドライクリーニングが不向きな物がほとんどです。

一度目のドライクリーニングでは大丈夫な物も、数回目で駄目に成る事を覚悟しておいて下さいね!

真っ白なコート!!

7月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会事例そのⅠです。

7月は久々に、多くの事例が有りますので、楽しみにしてください。

写真は、真っ白なコートなのですが、全体に黄ばんでいます。

表地 アンゴラ60% ウール40% です。

真っ白と云うのが鬼門です。

本来ウールは羊の色が基本です。

目を引く様な真っ白な羊はいません。

綿やポリエステル等その他の繊維でも同じで、本来真っ白な糸は存在せず、白く見える様に蛍光増白剤を使い白く染めているのです。

上の写真はブラックライトを当てて蛍光増白剤の反応を確認しているところです。

ボタンの跡だけが白く光っているのが判ります。

脇の下や、あわせの下側、裏等、日の当たらない部分が同様に、発光しています。

蛍光増白剤が日光や蛍光灯等の紫外線に曝される事で、劣化、分解し、クリーニングにより脱落した物です。

目の覚める様な真っ白なウールは、必ず黄ばんで来る物です。

余談ですが、蛍光増白剤には発癌性あると云われており、医師や看護師は、新品の白衣を必ず一度洗濯し、蛍光増白剤を出来るだけ除去してから着用するほどです。

又、傷口に付くと免疫が弱くなり、治癒が遅れるとも云われており、つい先日も、中国で大々的な取り締まりが有ったと新聞で読んだところです。

日本で売られている多くの合成洗剤にも、この蛍光増白剤が入っています。

出来るだけ、入っていない物を使う事をお勧めします。

衣料の美容室もよろしくお願いします。( http://www.sentaku8.com )