水シミ!

兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例です。

表・裏生地共にポリエステル100%

中綿 ダウン80% フェザー20%

絵表示では石油系ドライクリーニング指定です。

クリーニング店では、染み抜きを試みたが取れなかった為、原因の鑑定に出された物です。

原因としては、生地制作時の柔軟加工剤等の仕上げ加工材か、ヒートセット行程の際にサーモマイグレーションにより繊維表面に遊離してきた分散染料が、水または雨の滴下によりウォータースポットを起こさせた物と考えられます。

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こんな物でも穴が開きます!

最近blogに書き込める様な事例が見当たらない中、チョット面白い話を聴きました。

除光液や、マヨネーズ、ドレッシング(お酢系)などで、アセテート素材に穴が開く事は

以前に書き込みをしていると思いますが、チョットビックリする物でも!!

<アンメルツ> そうです、あの肩こりに効くアンメルツです!

アンメルツを塗った上にアセテート素材のブラウスを、その上にジャケットを着て出勤、

会社で上着を脱いだらアンメルツを塗った部分の生地が溶けて無くなり、

ブラウスに大きな穴が開いていた!と云う話でした。

鎮痛剤の成分とアセテートが反応する事による事故だそうで、

メーカに聴くとちょくちょく有る話で、取扱説明書にも記されているそうです。

科学は奥が深いですね!!

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忍者??

もう昨年になりますが、初冬の頃に、当店で「NINJA」と云う、

椿オイルトレハロースを主成分とする洗剤を使った研修会をメーカーにお願いし当店で行いました。

兵庫地区会員主体で19人の店主で狭い当店工場が一杯に!

TES(繊維製品品質管理士)西日本の幹事の先生にも来て頂き、2014年に発表予定の、新JISに対応できる、新しいウエットクリーニング材料の検証を行いました。

元々アメリカ専用に開発されたドライクリーニングに変わる新しいクリーニング方式として

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縮んでますか?

兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例です。

大手紳士服専門店でスーツとワイシャツのセットを購入し着用、クリーニング後襟が閉まらなくなったとの苦情です。

購入店で数カ所採寸すると、5~10mm程度の縮みが確認出来たとの事でした。

背広の素材は毛70% ポリエステル30%です。

審査会にて商品をよく見ると、裏地との縫い目に縮みを確認出来る様な吊れもありません。

素材的にもかんたんに縮む様な素材でも有りません。

又、ワイシャツの素材は綿100%です。

綿100%のシャツは、一般的に5%の縮み許容が有りますので

首周り43㎝の場合5%で2.15㎝は許容と見なします。

そこで、メーカーから仕様書を取り寄せ採寸すると、全く縮んでいない!!

綿100%のシャツですら、縮んでいませんでした。(これには驚きです)

オーダーシャツや高級シャツで、縮み無しはほとんど見た事がありません!

(一般的には、1~1.5㎝は大きめを購入して下さい)

商品の出来には感心しましたが、店舗での採寸・対応には感心できません!

多くの販売店では、顧客からの苦情で、縮みが無くても、クリーニングによって縮んだと説明する事が多々有ります。

最初の段階で、きっちり採寸し、縮みが無い事をハッキリ伝えておけば済む事なのです。

顧客が太った事がすべての原因なのですから!!

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保管方法に問題が有る顕著な例!

兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例です。

レーヨン90% ナイロン10%のニットワンピースです。

クリーニング後保管し、着用しようとしたら上の写真の様に脇の下が10㎝程度伸びているとの苦情です。

胸部分のヒダが真っ直ぐなのが本来みたいですが、ワンピース自体の自重によって伸びてしまったと考えられます。

保管する際に脇内側のループをハンガーに引っかけた上で肩をハンガーに掛けると、肩に掛かる重量が分散される為、伸びが少なくなります。

脇にループが付いている物は必ず、ハンガーに引っかけるのを忘れずに!!

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皮膚障害?

最近書き込みが滞っており申し訳ありません m(_ _)m

兵庫県の国民生活センターへアドバイザーとしての出張もあり多忙でしたが、半年間の担当も終わりました。ここでの事例は書けませんが!!!

さて、兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例です。

ポリウレタンコーティングの人工皮革を使ったブルゾンです。

クリーニング後着用すると、首周り等、皮膚に接触する部分が痒くなるとの苦情です。

ポリウレタンは、ドライクリーニング乾燥不足による溶剤火傷の事例などが有りますが、このお店では、ウエットクリーニングをしており、溶剤火傷の可能性は除外できます。

その為、ウエットクリーニング時に使用したソフター等の加工材が肌に合わなかった事が考えられますが、加工材に過敏症の人以外の可能性は低いと考えられます。

汗などの付着による、一般的な痒みが有ったと考えるのが一般的かも知れませんが、鑑定不能でした!!

クリーニングショップ衣料の美容室もよろしくお願いします。

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乾燥不足にご注意下さい!

1月分は書き込む様な事例が無かったので省きます。

それでは、2月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例其の1です。

写真では、襟の毛皮が緑に変色しているのが判りますが、

襟や、袖、裾、内側の裾等にも変色があります。

クリーニング店の保管サービス中の事故で、同様の事故が、頻発しているそうで、クリーニング店より事故原因の究明依頼です。

当組合では、ダウンのクリーニングはウエットクリーニングする事を推奨していますが、この店では、ドライクリーニングをしており、乾燥時間も30分、そのまま包装後保管しています。

ダウンは、保温効果が大きい反面、乾燥しにくいのです。

当店でのウエットの場合は、2~3時間以上乾燥機に入れるのが普通です。

乾燥の手間を省く為にドライクリーニングしたのでしょうが、30分の乾燥では短すぎます。

その為、保管時に、残留したドライ溶剤が徐々に気化、ガス化した為、保管袋の中でガス退色を起こした物です。

一般のガス退色と、乾燥不足によるガス退色の違いは、前者は裾付近の退色が多く、後者は、襟付近の退色が多い事で区別できます。

半日や翌日仕上げの工場では、ほとんどの品物が乾燥不足で有るのは、明白です。

持ち帰った後、包装袋を外し、すぐに着用せず、数日間ハンガー乾燥する事を心がけて下さいね!!

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火事にならなくてよかったです!

昨年12月の苦情審査会の事例其の4です。

喪服をクリーニング後に着用中に穴があいている事を指摘されたそうです。

ジャケットに大小合計4つの穴が!

丁度胸を上に二つ折りに、胸の穴が一番大きく、其の次が背中、其の次がお尻、一番小さいのが表の裾部分でした。

式の時上着を二つ折りにして置いている時に、たばこを上着の上に落としたためであると考えるのが妥当です。

もう少しで火事になっていた事でしょう!

たばこの火の始末にはくれぐれもご注意下さい!

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ストラップにご注意下さい!

昨年12月の苦情審査会の事例其の3です。

写真は、カッターシャツの襟です。

襟首の後ろ側同じ位置に青いシミがあります。

クリーニングから帰ってきたときには綺麗になっているが、

一日着用後に必ず同じようなシミが出来ているので、クリーニングに問題が有るのではとの事でした。

着用後のシミですから、クリーニングに問題がないのは明らかです。

着用後に同じ位置にシミが出来るのは、生活習慣に問題点が有るからです。

さて、考えられる原因ですが、

最近名刺や、身分証明書を首に掛けるストラップが流行っていますが、

ストラップの染色堅牢度が悪く、ストラップからシャツに移染した可能性が高いと考えられます。

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ストレッチ糸のセット不良!

昨年12月の苦情審査会事例其の2です。

写真は、ERMANNO SCERVINO のコートです。

クリーニングにより、袖丈6㎝、腕周り4㎝、裾周り3㎝ 収縮したとの事です。

キルティング部分を観察してみると、キルティングに使われている糸も、伸縮性がありポリウレタン弾性糸であると想像できます。

弾性糸は、本来製品化の際にヒートセットという加熱行程によって一定のサイズに安定する様に加工されているはずですが、このセット加工が不十分だと縮み易いのです。

昔の様に、弾性糸を使わずに、普通の糸で、伸縮性を持たせた縫い方をしていれば、このような事にはならなかったといえます。

製品、特に製造前の企画に問題が有った代表例ですね。

クリーニングショップ衣料の美容室もよろしくお願いします。