ナイロン糸の融解!

6月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例3です。

写真は、シルク46% 綿42% ナイロン12% のワンピースです。

一部が裂けていますし、周りもちょっと力を加えると裂けるほど弱っています。

クリーニング店では、ドライクリーニング後、自然乾燥し、スチームボックスで仕上げをしているようです。

裂けた部分を顕微鏡で視てみると横糸のナイロン糸が溶けています。

スチームによる熱で溶けたと考えられますが、120℃~150℃の熱で溶ける糸や、横糸の少なさを考えると、衣料品としての耐久性を無視して作られた商品であると考えざるを得ません。特に温度に注意が必要とのデメリット表示は最低必要であると思います。

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別珍パンツの毛倒れ!

6月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例其の一です。

写真は、バレンティのの別珍のパンツです。

素材表示が有りませんが、シルクの様です。

白くシミの様に見えますが、汚れではありません。

別珍の毛の向きが変化し、光の反射が変わった為、シミの様に見えているだけです。

非常にデリケートな素材の為、椅子に座ったり、雨が当たっただけで毛倒れします。

冬の電車のシート下に暖房が有るところに座るのは、特に禁物です。

綿のコーデュロイと同じような感覚で着用する商品では無い事を解った上で購入すべき商品で有る事を、販売店は説明する義務が有ると考えます。

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ベルベットパンツの傷!

6月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例です。

5月分の事例其の3です。

写真はベルベットのパンツに、傷が見受けられます。

ケアラベルの横に付けられている補助ラベルにも

「局部的な摩擦を受ける事によって毛羽が乱れたり抜けたりする事がありますのでご注意下さい。」

との表示があります。

裏全体に毛玉が出来ており、かなりしっかりと使用された形跡がある事から、特に裏側の摩擦による毛羽の抜けにより、傷に成ったと考えられます。

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カットソーの部分変色!

6月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例です。

5月分その2です。

写真はラメのカットソーです。袖と身頃の一部が、はっきりと境界が解る状態で変色があります。顕微鏡で確認すると、変色はラメではない部分で有る事が解りました。

畳み方には違和感があるのですが、カットソーを畳むときに使用される中紙に微妙に含まれる硫黄成分による変色ではないかと想像出来ます。

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コックコートの穴あき!

6月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会は、5月+6月分を、神戸繊維検査所の会議室にて行いました。1000倍まで拡大出来る実体顕微鏡や、数種類の光源を持つ検査器などを使用させて頂きました。

まず、5月分の事例其の一です。

写真は綿100%のコックコートに穴がクリーニングする事で穴が開いてしまいました。

ブラックライトにて検査すると、穴の開いている周りに黒く蛍光反応の無い一帯が確認出来ます。この事から、着用中磁気ネックレス等の使用による金属の付着があり、クリーニングに使用される酸素系漂白剤の過剰反応により、生地が脆化し穴が開いた物と考えられます。

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お知らせ!

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5月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会は、新型インフルエンザの為、神戸市の指導の元中止されました。来月一緒に鑑定する事になりましたので、ご了承下さい。

尚、神戸の街は、TV等で報道されているほど、混乱して居らず、私の周りでは、誰一人として感染者は出て居りません。

神戸を、そして当店のHPもよろしくお願いします( http://www.sentaku8.com

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収縮率!

今回は、事故事例ではありません。

最近お客様からの質問や要望の有った事から一つ。

カッターシャツやジーンズ等の綿織物の縮みについてのお話です。

織物を作るときの状態を想像して下さい。

ウイキペディア織機を検索すると

( http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B9%94%E6%A9%9F )

織物」は縦に張り渡した糸、「経糸(たていと、warp)」に、横方向の糸、「緯糸(よこいと、woof、weft)」を交差させて作るものである。

と有ります。この縦に張り渡した糸は強く引っ張られ伸びた状態にあります。

毛織物の場合は裁断する前に、地伸しと云って、蒸気で蒸す事で、張力を緩和させますが、綿織物の場合は、地伸しは行われません。(蒸気では張力の緩和は出来ないのでしょう?)

張力の緩和には水で濡らす事が必要なのでしょう。つまりクリーニングする事で、この張力が緩和されます。その為、「クリーニングしたら縮んでしまった」と云う事に成るのです。

縮んだのではなく張力が緩和され本来の長さに戻ったのです。

JIS規格によると収縮率は5%未満と規定されています。

襟周り40㎝のシャツの場合最大で2㎝収縮するという事になります。

昔はデパートなどでシャツを買う場合、店員さんに、「1~1.5㎝大きめのサイズを選んで下さい!」と、云われた物でした。

最近では、非対面販売の店が増え、専門店ですら、こういった説明をせず、「ジャストサイズの製品を勧められた」と云った話を聞きます。こういった店は、どんなに有名店で良い製品を販売していても、お気に入りの商品を置いていようとも、「不良品を販売している店」と考えるべきです。

また、綿100%のジーンズは、大きめのサイズを購入し、何度も高温で洗濯し完全に緩和収縮を起こさせた上で、丈やウエストの調整を行って下さい。それが本来のサイズなのですから!!

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含金染料による脆化!

 

4月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例4です。

上の写真は、綿100%のカッターシャツの襟先が接触する部分の身頃です。

一部分が白くなっているのが解ると思います。

 

顕微鏡で確認したのが上の写真です。

上は正常部分、下が白化部分です。

茶色の繊維が消失した為に白く見えた事が解ります。

私は、携帯や身分証を首からかけた為、ネックベルトに襟の先が強く押しつけられ、摩擦する事によって、茶色の糸が消失したと考えました。

が、繊維研究所の方の話によると、茶色の糸が含金染料で染められていて、クリーニング時に使用されている酸素系漂白剤が、襟先の生地が何重にも重なり最も水分の乾きづらい部分に濯ぎきれず、微量残留し、身頃の含金染料と摩擦した為に、化学反応により、脆化消失した物であるとのことです。(結構複雑ですね!)

クリーニングは科学である事を改めて感じさせられました!

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カッターシャツの酸化防止剤による黄変!

4月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例3です。

写真は、クリーニングから返ってきたら、部分的に変色していると云った苦情のカッターシャツです。

クリーニング店では、ハンガーによる立体包装していた為、変色部が目立ちました。

変色は、丁度 上の写真の様に畳んだ表面のみ黄変しています。

又、下の写真の中央部のみ四角く変色していない部分があります。新品時、サイズ表記が付いている部分に符合します。

この事から、製品出荷時の包装材(透明袋)に含まれているBHT(酸化防止剤)により、黄変していた物と考えられます。

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プラダのカットソー!

4月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例其の2です。

綿100%のカットソーに綿のアップリケや金具、革が付いており、ドライクリーニングで赤いアップリケと、革から色泣きが起きました。

前回の「コーチのコート」と同じ店での事故の為、これも前処理剤に水分が多いものを使用した為であろうと考えられます。

しかし、半そでのカットソーであるにかかわらず、水洗いの出来ない物であること、金具の下には着用摩擦による穴が開いてしまっていたこと、等から、日本での着用には不向きな製品で、使い捨てする覚悟を持って購入していただきたいと思います。

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