縮んだニットセーター!

1月 2月はクリーニング業自体が暇散期の為、blogに書くことが無く、

題材を探しつつ.......m(_ _)m

さて、2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1です。

写真は10年ほど前に購入の、ウール100%のセーターです。

お客様から3点のセーターが縮んだとのお申し出があり、検査に出されました。

一見、フェルト化もなく、縮んだようには見えません!

制作サイズは、メーカーごとに異なり、JIS企画に基づき5年ごとに改訂されます。

写真の1点が、ダンロップ社製で有ったため、メーカに制作時のサイズデーターが残っていないかを問い合わせたところ、大凡の見込みサイズを知らせていただきました。

実測値と比較すると、縦方向に8%縮み、横方向に8%伸びていました。

袖で云うと、5cmの縮みです。

しかし、何故急に縮みが出たのでしょう?

1)ドライクリーニング時の、溶剤中の水分管理の不備

2)タンブラー(回転式乾燥機)の使用のため

の2点が、考えられます。

長年の使用で、ニット製品は、着用やクリーニングの繰り返しにより、形態変化が起きることは避けられません。

アイロンなどの仕上げ作業により修正できると思いますので、クリーニング店に要望を伝えて下さい。

只、一部のアイロン行程の無い取次店方式のお店では、対応出来ない場合があります(T_T)

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ポリエステルとシルクのコンビネーション!

年が変わりましたが、先月12月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例その1です。

写真は、上半身の白いシルク100%と、ポリエステル100%のスカート部分から成るワンピースです。

ドライクリーニングにより、ポリエステルの黒色の染料が白いシルクに移染した様です。

最近、濃色ポリエステル繊維からの移染が多発しています。

白黒等のコントラストのハッキリした製品は要注意です。

上の写真は、再現テストのために、常温のリモネン(オレンジオイル)を一滴、移染した部分に垂らし、乾燥した状態です。

輪郭に染料が縁り、中心が白く成っているのがわかると思います。

この事で、ポリエステル生地の染色不良が原因である事が証明できます。

最近のポリエステル繊維は、昔の繊維とは違い、非常に細くなっています。

その為、分散染料の粒子が入り込みにくくなり、表面に染料が残ってしまうのです。

カチオン染料のほうが綺麗に染まるのですが、高価なため、移行が進まない様です。

現状ではポリエステルからの移染は当たり前に成ってきています。

ポリエステル同士での白黒等コントラストの高いものの場合は、クリーニングの方法を工夫することで対処するしか無い様です。

が、シルクなどのデリケートな生地とのコンビネーションの場合は、要注意です。

お客様が、購入時に注意するしかありません(><)

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着物をリフォーム!

 

11月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例3です。

写真は、着物をリフォームして作られた洋服の一部の柄が無くなっています。

近年、古い着物を洋服にリフォームして作られた製品が売られているのを良く見ます。

購入後、余り着ていなくても、生地は、数十年前に作られ、使われていた物をリサイクルした物である事を忘れないで下さい!

元々古くなり、生地自体が劣化し、洋服にする事で、よりハードに着られたため、アット云う間に擦れ破れてしまいました。

不景気が大きく影響しているのか、最近、結構古い製品を、又着ようと想い、タンスの奥から出してきたがひどく汚れている為、綺麗に成らないかと云った依頼が増えてきています。

生地も染料も時間と共に劣化している事を覚えておいて下さいm(_ _)m

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染料による破れ!

11月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

写真は、大手アパレルメーカー製、綿100%の黒色シャツで、衿の部分に別生地が付いています。

数回のクリーニング後、別生地が破れてしまいました。

軽く引っ張るだけで破れてしまいます。

染色に硫化染料が使われた為ではないかとメーカーに検査を依頼しました。

2週間ほどして、メーカーからの回答が送られて来たそうです。

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1)PH5

2)硫黄成分の検出があった。

①染色後のソーピングなどの後処理が不十分であった。

②硫化染料が経時的に変化した。

①、②の複合的作用によるもので有ると考えます。

*************************

と云う物でした。

ほとんどのアパレルメーカーは、検査もちゃんと出来ず、解らないと云って処理を避けようとします。

流石に大手アパレルさんですね!

検査や結果の報告も早く、適切に処理をして頂けました(*^_^*)

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長い髪が原因の様です!

11月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1です。

写真は、ミニワンピースの背中のコーティングの柄が無くなっています。

ほかも良く観察すると、肩や首周りの裏側の肌と接触するする所のコーティングも同様に無くなっています。

上が正常部分、下がコーティングが無くなっている部分の顕微鏡画像です。

ニット生地にウレタンのコーティングがされているのがはっきり写っています。

肩や首周りの裏側は、肌との摩擦によるコーティングの剥がれで有ると推測出来ますが、背中の剥がれは、摩擦による物であるとは、言い難い状況です。

そこで、どんな女性がこのワンピースを着ているのだろうかと考えている一人の委員が「髪の長い女性かな?」と!!

つまり、ロングヘアーに使っている整髪料により、コーティングの劣化が促進され、クリーニングの揉み作用によりコーティングが剥がれたと推測出来ます。

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ポリエステルの変色!

10月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

写真はポリエステル100%の黒のスラックスです。

10年くらい前の製品で、全体的に焦げ茶に変色しています。

しかし、日焼けしにくい、内股や、裾裏などは黒いままです。

一般的なポリエステルの染色に使われている、分散染料の特徴として、長い年月がたつ内に染料が劣化しやすいと云う顕著な例の様です。

経年劣化により、紫外線の影響を受けやすくなった為、本来日焼けしにくいと思われているポリエステル100%の製品ですが、長年の使用により日焼け変色した物と考えられます。

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ダウンの吹き出しでは無さそうですね!

10月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1です。

写真は、ダウンベストの背中の一部です。

縫い目の中から、黒っぽい物が出てきている風に見えます。

顕微鏡で、縫い目の付近を拡大してみると、上の写真から解る様に、

中から汚れが吹き出しているのではなく、表面に擦り付いた様な汚れで有る事が解ります。

クリーニングにより、全体に綺麗に成った為、着用中に付いた汚れの一部が、取れていないのが顕著化し、苦情に成った物である事が解ります。

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マイクロプリーツのスカーフ!

 

(before)

今回は、兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例では有りません。

当店で、最近お預かりして、処理した事例の紹介です。

写真は、エルメスのマイクロプリーツ(シルク100%)のスカーフ(処理前)です。

シルクのプリーツは、定着が悪く、着用時の汗や熱、クリーニングによって徐々に開いて来る事は、以前に紹介したとおりです。

当店では、出来るだけプリーツの維持をする為、一点ずつネットに入れ、

石油系ドライクリーニングで短時間処理をし、自然乾燥しています。

しかし、スカーフという事で、直接肌に触れ、又、汗を良く含んでいる為、

お客様は、汗抜きを希望されました。

水を使う事が御法度のプリーツですが、汗を抜く為には、水を使わねば成りません。

お客様には、リスクと、成功確率を説明し、ご了解の上、汗抜き処理をお引き受けしました。

色々考え、悩み、工夫の上、水を使っての汗抜きを行いました。

(after)

上の写真の様に、ほとんど変化無く、処理する事が出来ました (^o^)

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楊柳繊維!

9月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1です。

楊柳と云う、縮みの様な細かなマイクロプリーツの一部(背中の上部分)が、少し緩くなっているとの苦情です。

クリーニング事故の場合一部分だけが緩くなる事はほとんど考えられません。

「blugirl blumarine」と云うイタリア ブランドの逸品物を国内メーカーが輸入した商品の様で、素材表示も有りません。

メーカーが東京の日本化学繊維検査協会に鑑定依頼をしたところ、以下の様な鑑定でした。

ポリエステル100%(メーカーからの申請)

1)着用や洗濯の繰り返しにより、横方向にテンションが加わった事によるシワの緩和の可能性がある

2)生地自体の寸法変化率に問題が有った可能性

3)クリーニングの取り扱いに不備があった可能性

4)上記の複合、又はその他の要因

上記の原因が考えられるが、新品を用いての確認試験が必要。

しかし、苦情委員会で確認したところ、で触りと繊維の燃焼テストにより、素材がシルクで有る事が判明しました。

シルクは、プリーツ加工などの定着剤が無い為安定しません。

その為、着用中の、汗や、体温、体に追随する力等の要素により、シワが緩和した物と考えられます。

シルクにプリーツ加工をした製造メーカーの企画にも問題が有ったとも云えます。

プリーツ加工やシワ加工のシルク製品は、シワの緩和が有る事を承知の上ご購入下さい!

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ユニクロの「ネオレザー」??

ユニクロは

「2009年秋冬シーズンの第一弾キャンペーン ~UNIQLO COLLECTION 東京 2009~ レザーのイメージを変える。」

http://www.uniqlo.com/jp/corp/pressrelease/2009/08/082615_m_09fw.html  )

との発表があり、CMでの展開もご覧になった方も多くいらっしゃる事でしょう。

この「ネオレザー」たる商品は、ポリウレタンによる合成皮革です。

4~5枚付いているタグの一枚に、「3年が寿命で、衿や袖口など場合によりもっと早く劣化が起きる」云々の表記は付いています。

しかし、売り場には鮮明な表記が無く、レジでも説明は有りません。

私の、ブログをご覧の皆様は、よくご存じの事例と成りますが、

きっと、ほとんどの方は、ラベルの表記に気が付かず購入し、3年後には、

沢山の苦情がクリーニング店に持ち込まれる事は間違いないと、業界では、危惧されています。

「まさかユニクロまでが!」と思ったのは、私だけでは無いはずです。

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