飾りボタンによる傷!

 

6月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

写真は、JUICY COUTURE のダウンベストです。

表地はポリエステル100% 裏地は綿100%となっております。

ワンポイントとして大きな飾りボタンが付いていますが、

着用時や洗浄時、乾燥時にボタンと、周りの生地が接触を繰り返し、

生地に傷が付いた物と考えられます。

ダウンと云う素材上、乾燥時間も一般衣料の3倍以上の時間を要します。

ケアラベルには、ドライクリーニングとウエットクリーニングの両方が可能、

タンプルドライ(回転式機械乾燥)も可能との表示があります。

この様に成ることが解って織れば、一般的な商品では、

ボタンを取り外してから処理するのがベストですが、

ダウンの場合、縫い糸の穴からでさえ、ダウンの吹き出しが起きる為、

必要以上に針を使用することは厳禁です。

又、ボタンをアルミ箔や、マジックテープカバー等で保護してから洗う方法も、

アルミ自体による傷や、マジックテープによる傷が出来る可能性が有ります。

(ポリエステルとマジックテープは相性が良すぎ、傷が出来やすい!!)

やはり、デザイン性を優先させ、対クリーニング性能を無視した作りに成っていると考えざるをえません。

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アセテート素材のベロア製品!

6月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例其の1です。

写真はアセテート75% ポリエステル18% ポリウレタン7%のベロア地のジャケットです。

黒い生地の中に白く成っている所が多数見受けられます。

顕微鏡で確認すると、毛並みが乱れ、光の乱反射の為か、

染料が脱落し透明に成ったかの様に見える繊維部分が生地の中で白く見える部分です。

雨等の影響で、繊維が乱れ、写真の様に成ることが多く見受けられます。

クリーニング中に成る場合は、部分的ではなく全体に起こるのが常です。

正確な原因は確定出来ませんが、ベロア地は、雨だけでなく、着用時の擦れ、

椅子に座ったときなどの圧力等、様々な外圧により毛並みが乱れる事により目立ちます。

購入時には、生地の特徴を理解した上、また、着用時には十分注意して下さいね。

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アクリルファーのコート!

5月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

写真は、テイラー・ベントのアクリルファーのコートです。

元々は、「プードル」みたいな風合いだったそうです。

ケアラベルには、

表地 :ポリエステル100%

中綿 :アクリル    70%

ポリエステル 30%

と、記載が有りますが、商品素材に対し正しい表示ではありません。

アクリル起毛の生地は、クリーニングすると、必ずと云っていいほど

風合いが変化します。これは、アクリルの特徴です。

繊維の特徴を知らないデザイナーが見た目で生地を選んでコートにした、

企画間違いの商品としか云えません。

コートの裏地などによく使われているこのアクリルファーは、

クリーニングすると、毛が絡んだりして、見た目も必ず変化します。

裏地では、あまりクレームには成りませんが、表地となると....

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DUVETICAのダウン!

久々のBlogの更新です m(_ _)m

数年ぶりに新しいPCを組み立てましたが、

最新の機種にWindows7と、古いXPをマルチインストール!

XP用のドライバーを探し、構築の順番を試したり、何度もOSのインストールを繰り返し、

XPの古さを痛感した一月でした。

さて、5月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例其の1です。

写真は、DUVETICA(デュペチカ?)のダウンジャケットです。

ポリウレタンコーティングされた生地に丸い火傷の水ぶくれ様の傷や、

皺状の傷が多数見られます。

クリーニング店では、ウエットクリーニングされたとの申請です。

しかし、事故品を見る限りドライクリーニングされたように感じます。

ケアラベルには、ウエット、ドライクリーニングどちらも問題無いようになっております。

ポリウレタンの経年による経時劣化か?と思ったのですが、

メーカーによると昨年の11月製造の製品で、製造後半年ほどの製品であることがわかりました。

数年前に製造された物であれば不思議では無いのですが、

最近の製品でこの様な状態になるのは非常に不思議です!

不思議なことがまだ有ります。

ケアラベルをよく見ると、

表地:ナイロン100%  ポリウレタンコーティング

と表示されるべきところ

表地:ナイロン55%  ポリウレタン45% と誤表示されており

また、手洗いは30秒以内の脱水と付記されています。

ダウンの場合、脱水は5~10分されるのが普通であり、

業務用の機械では、30秒の脱水が出来る機種は少ないと思います。

以上のことから、商品企画自体に問題がある欠陥商品で有ると云わざるを得ません。

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またまたビトンのマッキントッシュです!

4月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

写真は、ビトンのピンクマッキントッシュの一部です。

ぱっと見は、色が剥げて白っぽく成った様に見えますが、

実際は、縫い目から裏地の染料が染み出し、縫い目に沿って濃くなっているのです。

絵表示では、手洗い可に成っているのですが、日本の水は、

ヨーロッパに比べ硬度が低いため、裏地の染料が溶け出してしまう様です。

色止めをしながら短時間で処理する必要が有りますね!

色の濃い製品では、目立たない為、クレームになりませんが、

ベージュやピンクなどの淡い色の製品では、目立ってしまいます。

去年から約一年間で、ビトンのマッキントッシュは、3着目のお目見えです。

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平面ファスナーによるピリング!

4月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1です。

写真は背広の左身頃下ポケット付近です。

クリーニング前には無かったとの顧客からの苦情です。

実は、私自身の上着にも同様の事故が有りましたので、

一目見て、原因が分かりました。

(モデルは私です)(^_^;)

上の写真で解るように、携帯電話ケース等に使用されている、

平面ファスナー(マジックテープは商品名)が原因と思われます。

ポリエステルの裏地に平面ファスナーを擦ると、簡単に再現できます。

最近の背広は、コスト削減のため、ポリエステル裏地が多く使われていますが、

やはり、裏地はキュプラが最適です。

キュプラは、綿繊維を原料に作られた再生繊維です。

その為、吸湿、保湿、通気性、滑効果、帯電防止等の特徴を持ち、

裏地の為に研究、開発された様な繊維です。

一部、背広水洗いを推奨している、クリーニング業者が、

ポリエステル裏地を推奨しているのを耳にしますが、裏地の機能性を理解せず、

自分勝手な理由(水洗しやすい)で、発言しているのです。(>_<)

ちょっと話が脱線しますが、(^_^;)

上の写真の携帯電話ケースは、私の手作りです。

ベージュの革は牛革、濃いグレーの革は象革です。

象革の肌さわりや、ぶつぶつ感、耐久性が好きで色々持っています。

象らしいグレーの革が手に入ったので、趣味のレザークラフトで作りました。

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縮んだニットセーター!

1月 2月はクリーニング業自体が暇散期の為、blogに書くことが無く、

題材を探しつつ.......m(_ _)m

さて、2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1です。

写真は10年ほど前に購入の、ウール100%のセーターです。

お客様から3点のセーターが縮んだとのお申し出があり、検査に出されました。

一見、フェルト化もなく、縮んだようには見えません!

制作サイズは、メーカーごとに異なり、JIS企画に基づき5年ごとに改訂されます。

写真の1点が、ダンロップ社製で有ったため、メーカに制作時のサイズデーターが残っていないかを問い合わせたところ、大凡の見込みサイズを知らせていただきました。

実測値と比較すると、縦方向に8%縮み、横方向に8%伸びていました。

袖で云うと、5cmの縮みです。

しかし、何故急に縮みが出たのでしょう?

1)ドライクリーニング時の、溶剤中の水分管理の不備

2)タンブラー(回転式乾燥機)の使用のため

の2点が、考えられます。

長年の使用で、ニット製品は、着用やクリーニングの繰り返しにより、形態変化が起きることは避けられません。

アイロンなどの仕上げ作業により修正できると思いますので、クリーニング店に要望を伝えて下さい。

只、一部のアイロン行程の無い取次店方式のお店では、対応出来ない場合があります(T_T)

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ポリエステルとシルクのコンビネーション!

年が変わりましたが、先月12月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例その1です。

写真は、上半身の白いシルク100%と、ポリエステル100%のスカート部分から成るワンピースです。

ドライクリーニングにより、ポリエステルの黒色の染料が白いシルクに移染した様です。

最近、濃色ポリエステル繊維からの移染が多発しています。

白黒等のコントラストのハッキリした製品は要注意です。

上の写真は、再現テストのために、常温のリモネン(オレンジオイル)を一滴、移染した部分に垂らし、乾燥した状態です。

輪郭に染料が縁り、中心が白く成っているのがわかると思います。

この事で、ポリエステル生地の染色不良が原因である事が証明できます。

最近のポリエステル繊維は、昔の繊維とは違い、非常に細くなっています。

その為、分散染料の粒子が入り込みにくくなり、表面に染料が残ってしまうのです。

カチオン染料のほうが綺麗に染まるのですが、高価なため、移行が進まない様です。

現状ではポリエステルからの移染は当たり前に成ってきています。

ポリエステル同士での白黒等コントラストの高いものの場合は、クリーニングの方法を工夫することで対処するしか無い様です。

が、シルクなどのデリケートな生地とのコンビネーションの場合は、要注意です。

お客様が、購入時に注意するしかありません(><)

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着物をリフォーム!

 

11月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例3です。

写真は、着物をリフォームして作られた洋服の一部の柄が無くなっています。

近年、古い着物を洋服にリフォームして作られた製品が売られているのを良く見ます。

購入後、余り着ていなくても、生地は、数十年前に作られ、使われていた物をリサイクルした物である事を忘れないで下さい!

元々古くなり、生地自体が劣化し、洋服にする事で、よりハードに着られたため、アット云う間に擦れ破れてしまいました。

不景気が大きく影響しているのか、最近、結構古い製品を、又着ようと想い、タンスの奥から出してきたがひどく汚れている為、綺麗に成らないかと云った依頼が増えてきています。

生地も染料も時間と共に劣化している事を覚えておいて下さいm(_ _)m

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染料による破れ!

11月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例2です。

写真は、大手アパレルメーカー製、綿100%の黒色シャツで、衿の部分に別生地が付いています。

数回のクリーニング後、別生地が破れてしまいました。

軽く引っ張るだけで破れてしまいます。

染色に硫化染料が使われた為ではないかとメーカーに検査を依頼しました。

2週間ほどして、メーカーからの回答が送られて来たそうです。

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1)PH5

2)硫黄成分の検出があった。

①染色後のソーピングなどの後処理が不十分であった。

②硫化染料が経時的に変化した。

①、②の複合的作用によるもので有ると考えます。

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と云う物でした。

ほとんどのアパレルメーカーは、検査もちゃんと出来ず、解らないと云って処理を避けようとします。

流石に大手アパレルさんですね!

検査や結果の報告も早く、適切に処理をして頂けました(*^_^*)

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