組成表示不良!

 

最近更新をサボっていてすみませんm(_ _)m

久々に面白い事例に出会いました。

10月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会事例その1です。

写真はポリエステル100%のドレスです。

染み抜きをすると上の写真の様に繊維が溶けてしまいました。

ポリエステルが溶ける溶剤ではない為、

クリーニング店がメーカーに問い合わせた所

「組成表示に間違いは無い、クリーニング店側で組成表示に間違いを証明出来れば賠償に応じる」との返事が来たそうです。

本来は、メーカー側がミスがない事を証明すべきなのですが!!

普段は、裁断不可での依頼がほとんどですが、この度は、裁断可 での依頼でした。

その為、当苦情審査会において、簡単な実験を行いました。

まず、2cm角に生地を切り取りました。

アセトンを入れたビーカーに生地を浸します

 

みるみる横糸が溶けて行き、縦糸がバババラに成りました。

この実験で、横糸が「アセテート100%」で有る事が証明出来ます。

これら実験結果を送った所、メーカーもミスを認め、賠償に応じたそうです。

本来、組成表示の間違いには、結構の罰金が発生するそうなのですが!!

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手織りの暖簾!

7月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例2です。

写真は麻素材らしき暖簾です。

帯状に色の変化があります。

横糸途中での変色はなく、変色幅が同じである事から、

手織物によくある、糸のロット違いによる色斑と考えられます。

クリーニング前は、全体に汚れていた物が、クリーニングすることにより、汚れが取れ、色斑が顕著化したと考えられます。

時間が経つと購入時の状態は覚えていない物です!!

ダウンコートでバイクはNG!

7月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例そのⅠです。

写真のダウンロングコートですが、すそに穴が!!

熱で溶けた穴である事は観ただけで判ります。

又、近くに煤状の汚れが数カ所有ります。

クリーニング店で起きる事故とは考えにくい状態です。

形状、位置等から、高温に成ったパイクのマフラ-に触れたか、

マフラーの側にいてマフラーから飛び出した高温の煤に曝された可能性が高いです。

確定は難しいですが!!

銀色のコート!

6月の苦情審査会の事例です。

写真は 綿52% 麻48% シルバーの金属箔プリントがされています。

本来はもっとシルバーな色合いだったのでしょう!

石油ドライ指定でしたが、業者が間違って、パークロルエチレンで洗ってしまったとの事です。

未処理のボタンと比較するとハッキリ判りますね!

しかし、指定である石油ドライ溶剤を綿棒に付け共布を擦って観ると簡単に金属箔がはげてしましました。

間違ってパークロルエチレンで洗ってしまった業者にも責任がありますが、

石油系溶剤で洗っていたとしても事故に成っていたと考えられます。

このように、金属箔プリントや、顔料染め、ウレタンプリントなど、石油系溶剤指定に成っている商品の多くは、ドライクリーニングが不向きな物がほとんどです。

一度目のドライクリーニングでは大丈夫な物も、数回目で駄目に成る事を覚悟しておいて下さいね!

真っ白なコート!!

7月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会事例そのⅠです。

7月は久々に、多くの事例が有りますので、楽しみにしてください。

写真は、真っ白なコートなのですが、全体に黄ばんでいます。

表地 アンゴラ60% ウール40% です。

真っ白と云うのが鬼門です。

本来ウールは羊の色が基本です。

目を引く様な真っ白な羊はいません。

綿やポリエステル等その他の繊維でも同じで、本来真っ白な糸は存在せず、白く見える様に蛍光増白剤を使い白く染めているのです。

上の写真はブラックライトを当てて蛍光増白剤の反応を確認しているところです。

ボタンの跡だけが白く光っているのが判ります。

脇の下や、あわせの下側、裏等、日の当たらない部分が同様に、発光しています。

蛍光増白剤が日光や蛍光灯等の紫外線に曝される事で、劣化、分解し、クリーニングにより脱落した物です。

目の覚める様な真っ白なウールは、必ず黄ばんで来る物です。

余談ですが、蛍光増白剤には発癌性あると云われており、医師や看護師は、新品の白衣を必ず一度洗濯し、蛍光増白剤を出来るだけ除去してから着用するほどです。

又、傷口に付くと免疫が弱くなり、治癒が遅れるとも云われており、つい先日も、中国で大々的な取り締まりが有ったと新聞で読んだところです。

日本で売られている多くの合成洗剤にも、この蛍光増白剤が入っています。

出来るだけ、入っていない物を使う事をお勧めします。

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ユニクロのダウンコート!

5月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例そのⅠです。

写真は、ユニクロのダウンコートです。

表地 ポリエステル100%  中綿 ダウン80% フェザー20%

袖口にハンドクリームが付いたのでとの事でクリーニングに.....

クリーニングから帰ってくると上の写真の様に袖口がはげている!

染み抜き処理に問題があったのでは!! との申し出です。

裾にも同様に傷が有ります。

どちらも着用中の擦れによる物です。

生地の耐用に問題なくとも、この程度の傷は、数回の着用でも出来る物です。

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マックスマーラのセーター!

2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例その1です。

写真はMAXMARAのニットセーターです。

袖が曲がった状態に成っています。

素材は毛85% シルク15% 手洗い表示です。

一見、肘の内側が縮んでいる様に見えます。

お客様が販売店に持って行くと、もともとは真っ直ぐな袖で、クリーニングに問題があるとの回答であったそうです。

しかし、縮んだ内側を引っ張ってみると伸縮性が残っており、フェルト化により縮んでいる様には見えません。

まるでデザインとして曲がった状態に織られた物の様に見えます。

再度、組合から、メーカーに送り確認すると、商品の品質に問題があったとの回答がありました。

お客様の声が販売店よりメーカーに届いていない様で、メーカーの認識が低いようです。

高額品の割に、苦情率が非常に高いメーカーの代表の様に見受けられます。

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大変なことが起きました!!

東北地方太平洋沖地震により、亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様、そのご家族の方々に対しまして、心よりお見舞い申し上げます。

テレビを見ていて、16年前の阪神淡路大震災のことが思い返されます。

当時、我が店舗兼住宅は、木造2階建て家屋と、軽量鉄骨3階建ての2つの建物を、ひっつけた構造に成っていました。

木造の家屋は、1階部分が押しつぶされ、2階の梁が機械の上に乗っかり、北側の道路半分まで2階が塞ぐ状態。

3階建ての建物は、20度ぐらい傾いており、この3階で、当時妊娠8ヶ月の家内と就寝しておりました。

地震で本棚やオーディオなどが散乱、足の踏み場もない状態に...

幸いなことにベットの上には何一つ落ちてきませんでした。

真っ暗な中、部屋から出ようとしても扉が歪み、閉じ込められた状態に成りましたが、もし扉が開いていたら、階段が吹き飛んでいたため、がれきの上に真っ逆さまでした....

近所の福山通運さんが、4トントラックを窓の下に着け、その上にはしごを掛けて下さり、荷物用クレーンを使って下に降ろしてもらい、崩れた我が家を見て愕然と....

今でも、家内は、大きなおなかを抱え、はしごを使ってよく降りられたものだと云います。

その時点で、近くの避難所は満杯状態でどこにも行き場がありませんでした....

昼頃、はしごを借り3階へ車の鍵を探しに戻り、駐車場へ向かうも、駐車場隣のマンションは1階がなくなり、車がペシャンコに、ショートした電源で、至る所でクラクションが鳴り響いていましたが、我が車は、後部に隣のブロックが1個落ちてへこんではいましたが、動く状態で助かりました。

つぶれた家の前、車の中で家内と二人、時間とともに北側の火事が、東から西に延々とゆっくりと動いていくのを呆然と眺めていました......

翌朝、日が明けるとともに、北に移動し、連絡の取れた白川台の友人宅へ、ここは、風呂場の壁の一部にひびが入った程度、同じ神戸市内でありながら、別世界でした。

友人宅で一日暖をとり、翌朝早く薄暗い中、大阪の会社に出社する友人と共に六甲山越えのコースを使い、大阪住吉区の家内の実家まで避難しました。

大阪で、車いっぱいの水や食料を買い込み、夜中に義父と共に神戸に戻り、一週間近くは崩れた家から、お客様の預かり物や、使えるものの運び出しでした。

がれきの中から引っ張り出したお預かり物を、大阪の知り合いの同業店で洗い直し、お客様へお渡しできたのは、一週間以上経ってからでした。

3月末まで、友人宅を諸点とし、神戸で集めた商品を大阪で処理してもらい、また神戸へ...

3月15日に大阪で子供が誕生4526gでした。

避難所に入っていないと、物資も、仮設住宅も当たりません。

4月からは単身ワンルームを借り神戸の同業店で処理をお願いすることができました。

幸運にも、翌年3月には新店舗兼住宅が完成、裸一貫、一から出直しです。

しかし、お得意様も半分以下になり、震災後の不景気、未だに売り上げも伸びず、あがいています.......

この度の震災の様子をテレビで観ていて、当時のことを思いだし、胸につまる思いです。

東北地方太平洋沖地震にあわれた方々も、これから大変だと思いますが、共にがんばりましょう!!

 

ウレタンペイントの脆化!!

1月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例4です。

写真は、DiorHomme の長袖Tシャツの首部分です。

白いペイントの一部が脱落しているとの苦情です。

ポリウレタンの人工皮革の経時劣化は何度も説明しましたが、最近のペイントは、ウレタンペイントが使われることが大半の為、同じような現象が起こります。

特に首回りは、汗や、皮脂、日光の複合作用が顕著に起こりやすい部分で、加えて脱着時の伸縮作用が加わり、ウレタンペイントの加水分解による脆化が著しく、クリーニング時の揉み作用により顕著化した物と考えられます。

Tシャツ等に使用されるウレタンペイントは、いくら丁寧に扱っても経時劣化により1~3年で必ず剥がれてくる物と考えて購入して下さいね!

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絶対に日焼けでは無い!!??

1月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例3です。

コートの肩から袖にかけて変色しています。

素材は、ナイロン72% ポリエステル18% と記載されています。

お客様は、クリーニング店より持ち帰り、持ち帰りカバーを掛けたまま、その上から白布をかけて保存していたので、日焼けでは無くクリーニングによる物と主張されております。

白布を掛けて保存されていたと云う事ですから、お客様の云う通り、日焼けでは無いと考えられます。

本来、私たちが、この商品を見て、最初に考えるのは、1)日焼け 2)ガス退色 の2つですから、ガス退色が有力と成ります。

もう一度全体を観察すると、裾の部分にも変色が見受けられますし、持ち帰りカバーを掛けたままの保存であることから、自動車などの排気ガスや、コンロ、暖房器具から出るガスによる、ガス退色であると、確定されます。

持ち帰りカバーは、クリーニング店から家庭までの間での使用が限定される物と考えていただき、保存時には外して、不織布のカバーに付け替えて保存していただくのが一番です。

当店では、DXコース及び、W&Dコースの商品には片面が不織布に成ったカバーを使用していますが、このカバーは、そのまま保存していただいても大丈夫ですよ!!

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