7月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例3です。
写真は 「 MARELLA 」 のコートです。
表地:ナイロン70% ポリエステル30% 裏地 ナイロン100% 中綿ポリエステル100%
三喜商事が輸入している逸品物(少量仕入れ)です。
クリーニング後全体的に黄色くなったとの苦情です。
クリーニング店がメーカーに直接確認を依頼した回答は、
1)初めから黄色っぽい白だった可能性がある。生地見本も、データーも無く確認不可。
2)ビニール袋に使用されている酸化防止剤が昇華して応変した。
3)残留ソープが長時間の密封状態で昇華して黄変した。
上記3種類の可能性があるが特定不可能、との返事があったそうです。
まず 2)の酸化防止剤は以前のブログを参照して頂ければ解りますが、レモンイエローの特殊な色になるのが特徴ですので、除外出来ます。
3)の残留ソープ(洗剤)による変色も、斑になるのが特徴で、色味も違いますので、除外出来ます。
残るは1)のみですが、約6万円の高額品にもかかわらず、データーが残っていないというのはひどい話です。
第4の原因として考えられるのは、ナイロンの経時劣化による黄変です。
ナイロンは、時間と共に応変していく特徴を持った繊維です。只、その時間には個体差があり2~3年で変化する物や7~10年掛かる物もあります。
今回の事例では 1)又は4)のどちらかであろうと考えられます。
以上の事から、クリーニングによる事故では無い様です。
クリーニングショップ衣料の美容室のHPも宜しくお願いします。
( http://www.sentaku8.com )