マックスマーラーのボンディングコート

 

 

7月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例1です。

右写真は、マックスマーラーのボンディングコートを透かして見たところです。

まず「ボンディング」とは、薄い2枚の生地を樹脂によって貼り合わせ、1枚の生地にする加工の事を指し、「ボンディング加工」が一般的です。又、この樹脂は「ポリウレタン樹脂」が使われている事がほとんどで、「ポリウレタンのバックコーティング」に似ていますが、生地を裏返して確認しても、ポリウレタン樹脂を目視する事が出来ない為、ボンディング加工されている事を認識出来ない事がほとんどです。

購入後 5~6年が経過した商品です。

何度も紹介している様に、「ポリウレタン樹脂」を使用した生地は、生地が製造されてから3・4年が寿命です。大気中の水分や、油分等により「加水分解」されます。ちょうど輪ゴムが古くなると、伸び->ベタ付き->千切れる様に、劣化するのです。

ポリウレタンやボンディング加工の表示もなく、ポリウレタンの劣化前に、確認する事は困難な商品です。

高価な商品でも、寿命が短い製品が多くある事を、知っておいて下さいね!

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バーバーリーのスーツ

 

6月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例其の2です。

バーバーリーのスーツ 綿72% ナイロン26% ポリエステル2% トルコ製。

全体にテカリが出来、ボタンが変色しているとの苦情です。

綿にナイロンが入っていますので、着用によってテカリが出やすい素材です。

クリーニング前は汚れでテカリがスポイルされていた物が、クリーニングすることにより、表面化したと考えられます。

ボタンの変色は、ドライクリーニングの溶剤による物との疑いも有りましたが、内ポケットのボタンは全くの無傷でした。

顕微鏡写真の通り、変色ではなく、着用時の接触による、表面コートの剥離が原因です。

ボタン全体に、刻印の堀が浅く不鮮明で、ちょっと!!

ケアラベルの表は、英語の表記、裏は、中国語での表記があり、

バーバーリージャパンとの日本語の表記も後から縫いつけられていましたが、

バーバーリージャパンへの問い合わせでは正規の物では無いようです。

最近バーバリーの正規物ではない商品の苦情が非常に多い様に思います。

お気を付け下さいね!

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ウエディングドレスのシミ?



6月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例其の1です。
写真はウエディングドレスの後ろに付いたシミです。
同じようなシミが数カ所有ります。
クリーニング前には無かったとの苦情です。
手で触ると堅く盛り上がった様になっています。
どうやらキャンドルサービスか、照明効果の為に使われた蝋燭の様です。
白地に白い蝋が付いたので、お客様もクリーニング店も見落としたのでしょう。
クリーニング前に気が付いていれば案外簡単に落とせるシミなのですが・・・・

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ビトンのトートバック2

6月の兵庫県苦情審査会の事例の前に、5月の事例のビトントートバックの訂正をさせて頂きます。

検査の後、苦情委員の一人が商品を持ち帰り、染み抜きなどを試み、詳しく検証した結果、「裏張りからの色の染み出し」では無かった事が解りました。間違った情報を伝えた事をお詫び致します。<(_ _)>

クリーニング店では水洗いをしたとの申請でしたが、裏地の染色はしっかりしており、色の染み出し等も考えられませんでした。
表地の染色が染料ではなく、顔料(染めるのではなく載せている)を使っている事が解りました。
ここで、白なのに染めている?と思われた方もいらっしゃる事と思いますので、まず、そのことを.....
本来、真っ白な繊維というのは存在しません。綿や毛、絹などの天然繊維では、生成といわれるアイボリー、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維は、少し黒っぽい色が本来の色です。これに、蛍光染料や顔料などで白く見える様に染めているのです。
顔料の場合は、油性の溶剤に溶かして繊維を染める為、油分を含んだ汚れや、油性の染み抜き剤で、剥げてムラに成ります。ドライクリーニングを行うと、顔料が完全に取れ、本来の商品とは全く違った本来の生地の色に成ってしまいます。
以前、ドライ指定で紫色の顔料染めのブラウスをドライクリーニング機に入れ、顔料が取れた為、綺麗にピンク色に成って出てきた事も有りました。

このバックの場合、油性の汚れが付いた為、洗剤により、この汚れと共に白い色の顔料が取れてしまい、斑々に成ったと考えられるのです。

洗った後で染め直しの必要がある為、それなりの費用がかかる商品の様です。高額なバックですので……

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ビトンのトートバック



5月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例3です。
写真は、ルイビトンのトートバック?です。
上の白い縦縞の部分は裏地を引っ張り出しています。
クリーニング店が安易に水洗いをした為に、裏地ではなく、表地の裏張りから色が染み出して、表面の白地が斑に茶色くなってしまいました。以前書いたビトンのマッキントッシュタイプのコートと同じ現象です。
洗う事を考えない方が良い商品の様です。
汚れた場合は、部分的な染み抜きを依頼するか、バックの専門店、もしくは専門店と取引のあるクリーニング店に依頼して下さい。一般のクリーニング店に依頼すると、専門店より遙かに安価で引き受けてくれますが、よほど慣れた店でない限り、失敗の確率が非常に高くなります。高価な商品は、クリーニング代も高い意識をお持ち下さいね

<(_ _)>

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これもプリーツです!



5月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例2です。
写真はスラックスの折り目部分です。
これもプリーツの一種です。
クリーニング後のプレスや、着用中の擦れによって折り目の山の部分が破れてしまいました。
素材表示は 毛100%となっていますが、モヘアが混紡されています。
その上、折り目がしっかりと付いており、折り目加工がされているのが分かります。
モヘアや強撚糸使いのスラックスには、シロセット加工等の折り目加工はNGなのです。
糸が堅いため折り目加工をする事により、刃の様に折り目が付き、繊維が折れ、摩擦や、加圧により、繊維の破断が生じます。
販売店が加工代の付加利益を上げるためや、販促等で、加工を勧めた物であると考えられますが、不適切であったのが原因に成っております。
夏物ウールのスラックスは、汗などによりすぐに折り目が緩くなりますが、モヘアや強撚糸使いのスラックスには、折り目加工は避けて下さい。(店員さんの誘惑に乗らず、折り目加工は断って下さいね!)

スラックスやヒダスカート等には、クリーニング店でも折り目加工の受付を行っている所が多くあります。(自店処理や外注)
この場合、二種類の加工が有る事をご存じですか?
1)シロセット加工(パーマ液に似た薬剤を使用)
2)リントラク加工(樹脂使用)

1)のシロセット加工はごく一般的なプリーツ加工ですが、
2)のリントラク加工は折り目の裏側に細くシリコン樹脂を塗る加工方法です。
リントラク加工の方が、汗や雨に強く、緩く成りにくいのですが、薄い生地の物には、表に樹脂が染み出す事が有り不適です。
素材に適した加工方法を選んで下さいね!

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またまたプリーツです!



5月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例1です。
先月に引き続きプリーツの事例が2つ有ります。
写真は ポリエステル68% 綿32%のスカトです。
プリーツ加工が緩くなっています。
ドライクリーニング後、乾燥時の熱による緩和であると考えられます。
ポリエステル100%では無い為、樹脂加工によるプリーツ加工を行っていると推測できます。
しかし、樹脂加工ですから、ドライクリーニングを行う事により樹脂が徐々に取れていった可能性も有ります。
メーカーによる指示通りドライクリーニングを行っていても防げない事故であります。
その上、綿が混紡されていますので、ウエットをしても緩和し、シワが発生するため、ウエットクリーニング後自然乾燥する事も駄目でしょう。
制作段階での企画の間違いである可能性大です。
ポリエステル100%以外でのプリーツ加工は、クリーニングするとプリーツが簡単に取れてしまう事を覚悟の上購入して下さい。

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プリーツスカート



4月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例3です。
写真は綿100%のプリーツスカートです。
新品時は、歩くたびにカサカサと音がしていたが、クリーニング後は音がしなくなったとのクレームです。?・?・?
洗濯方法はドライクリーニングですので、洗浄中の揉み作用によって糊毛が薄くなったためと考えられます。
しかし、クリーニングの為には必要な行程ですし、着用中の動きによっても同様の作用は起こっています。不回避である事と、ドライクリーニング用の糊剤をスプレーしてみることをクリーニング業者にアドバイスをしました。

皆様に知っておいて頂きたい事が有ります。
ポリエステルやウールのプリーツ加工にはある程度の保持力が有りますが、他の繊維のプリーツには保持力がほとんどありません。今回のプリーツスカートには、プリーツが永久的でないことや、再プリーツ加工が不可能なことなどのデメリット表示が付いていました。綿やシルクのプリーツ加工品をよく見かける様になりましたが、大気中の湿気でも、体から発散される汗や体温でもプリーツが取れて来る事をご理解下さい。
特に、写真の様に細かいプリーツの場合、糊剤のスプレーも、一般的な水溶性の物を使うと、吹きかけただけでもプリーツが緩くなります。
綿生地ですのでドライクリーニングでは、あまり綺麗には成りません。ウエットクリーニングも、染み抜きも不可能に近いと考えられます。
ファッショナブルな製品にはそれなりにリスクが伴う事を購入時に少しは考えて下さいね <(_ _)>

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D&Gのシャツ


兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例2です。
写真はDOLCE & GABBANA のシャツで、素材は綿100% です。薄紫色生地の赤みが無くなり水色に成っている部分が有ります。襟、カフス、前立ての一部に見られることから、機械プレス行程の最初の段階で使用する、襟+カフスプレス機でプレスした部分が変色していると推測されます。襟+カフスプレス機は生地が何重にも重ねられている部分を処理するため、他の部分に使うプレス機と比べると、温度、圧力が高く時間も長い為、生地を染めている染料が耐え切れず、熱昇華変色を起こしたと考えられます。
只、ケアラベルが、正規輸入された商品に付いている物とは明らかに違いますので、並行輸入されたものか、コピー商品では無いかと私は考えています。
原因としては、
1)染色不良で有る
2)ブランド品を安価なシャツ並に機械仕上げした
このどちらか、もしくは両方が原因でしょう。
当店でも、高級シャツは<手仕上げ>をお勧めしますがほとんどのお客様は、安価な<普通仕上げ>で良いと云われる事がほとんどです。
高級品のクリーニングはケチらず、高級(デラックス)クリーニングをご指定下さい。m(_ _)m

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ネクタイの傷



4月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1です。
写真では解りにくいかもしれませんがネクタイに、斜めに傷が見受けられます。
傷の様に見える部分を顕微鏡で確認すると、傷の様に見える部分の糸が消失していることが確認できました。
また、数カ所に糸の引っかけも見つかりました。
そのことから、糸の引っかけを毛玉取りで処理したため、糸が毛玉取り器に巻き取られる様に引きちぎられ、抜け欠けた糸が傷の様に見える現象が起きたと考えられます。
飛び出た糸は、毛玉取り器やはさみで処理せず、生地の裏側へ、押し込む様に処理して下さいね <(_ _)>

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