シルクの白化



2月の兵庫県苦情委員会の事例2
先日はお客様が原因の事例でしたが、今日はクリーニング店の失敗です。
写真はシルクの生地にポリウレタンのパックコーディングを施した、いわゆるマッキントッシュタイプのコートです。
洗濯表示は手洗いもドライクリーニングも弱で可、タンプル乾燥不可の表示です。
そのコートをドライクリーニング後タンブル乾燥(家庭用の乾燥機を大きくした機械を想像して下さい)した為に全体的に斑斑に白化しました。
ポリウレタンのバックコーティングが施されているとはいえ、表面はシルクです。ご存知の様にシルクは大変デリケートな素材で、糸の切り口は三角形(△)です。特性としては、染まりにくく△の表面のみが染まり中心部分は染まらない為、摩擦で△の角が削れると中の染まっていない白い部分が出てくる為、白く目に映ります。着用時のチョットした擦れでも簡単に部分白化(袖口、襟、ポケット口、肘等が顕著)するくらいです。
クリーニング店では、原因が解らず、中から粉が吹き出たと思い検査に持って来られました。

今月の困った店其の1でした。

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着用時の摩擦による破損!



2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例です。
汗や、擦れ、シルク絨毯の使用による毛倒れなど、お客様の使用時に起きた形態変化の一般的な物ばかりでした。
その一つとして、今回は、非常に苦情の多い事例についてです。
写真は、綿60% シルク40%の半袖ブラウスの袖の付け根です。
生地の地の目がばらけて波打った様に成っています。アイロンの仕上げが悪い訳ではありません。
クリーニングに出す時は、クチャクチャになっていてお客様は、気が付いて無かった為、クレームになった物です。
この現象は、「目寄れ」と言って生地に強い力が掛かった時(特に湿気や濡れがあるとき)に起こる現象です。もっと酷くなると、糸と糸の間に隙間が出来たり(スリップ、目明き)、破れたりします。
破れた場合は、お客様も直ぐに理解出来るのですが、中途半端に型が付いただけだと、理解しにくいみたいですね!
最近はデザイン重視に設計され、袖ぐりが小さくて、袖の付け根近辺に強い力が掛かり、又、脇の汗が加わる事により目寄れが起きやすい物が多く見受けられます。
今回の製品には、内側に付いているケアラベルにも製品の特性として説明の記載が付いていました。
しかし、いつもの事ですが、購入時に店頭での説明が必要なはずです。きっと、説明を聞けばお客様は購入し無かったはずです。

同じ様な事例としては、スカート(特にタイト)の裏地にも、同じ様に目寄れやスリップ、目明きがよく起きます。暑く汗ばんだ時、電車に飛び乗ったり、信号が変わり掛けてちょっと走ったり、するだけでも起きる事があります。と、お客様には説明するのです。
しかし、トップスやスカートに関わらず、苦情が増えるのが一月なのです。正月休みに、お餅が加わり、お客様には脂肪と体重も加わる為この時期の名物とクリーニング業界では云われています。
しかし、お客様には絶対に云えない原因です。
なのに書いてしまいました(^_^;)

最後は読まなかった事にして下さいね<(_ _)>

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お客様の勘違い!



2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の報告前に、昨年12月29日の事例の確認情報です。
内容はレーヨン60% ナイロン40%のレースのスカートです。クリーニング後、刺繍の端が飛び出し、ぷつぷつとした毛玉の様に成っているとの苦情でした。
私たちは、生地の裏表を間違えて縫製したのではないかとの考えから、メーカーに問い合わせしていましたが、その返事を先日確認する事が出来ました。
「毛玉の様に処理をした生地であり、裏表を間違えたのではない」との回答でした。
つまり、お客様が買われた時から、この様な商品であり、お客様がこの商品の特徴をご存じなかった。もしくは忘れていた。と言う事になります。
笑い話の様な結末ですが、こういったお客様の勘違いによるクレームは大変多く、対応に苦慮します。
こんな話を思い出しました。
「ピンクのスーツを購入し、スカートにシミが付いたのでスカートだけをクリーニングに出したら、白になって返ってきた」という苦情があり、販売店に問い合わせたら、
「元々、ピンクのジャケットと白のスカートの組み合わせによる販売です。」という返事が返ってきた。
この事をお客様にお伝えしても、「ピンクのスカートだった」の一点張りで 、最終的には、白のスカートをジャケットと同じピンク色に染めたと聞いております。

こういったお客様の勘違いは大変多いです。
クリーニングに出す時は、良く自分の洋服をよく見てからにして下さいね(T_T)

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ガスによる変色?



2008年最初の苦情委員会の事例です。
虫食いや、塩化ビニールの硬化等のありふれた事例ばかりでしたが、同じ原因であろうと思われる2点についての検証です。
表地は、一方は綿+ポリエステル、他方は綿+ナイロン、と少し違いますが、どちらも中綿にダウンを使用し 茶色−>グリーン 濃いグリーン−>薄いグリーン と一見 Noxガス による、変色の様に見えます。
クリーニング方法も「ドライクリーニング」をしているとの申告です。
ケアラベルには「手洗い不可 ドライクリーニング可」と成っていますので、メーカーの指定通りに行っています。
鑑定に持ち込んだクリーニング店も、「Noxガスによる保管中の変色である」との鑑定を見込んでいたのかも知れません。
しかし、一般的なNoxガスによる変色とは違い、変色が広範囲に及んでいます。
そこで、当委員会では、次の様に考えました。

ドライクリーニングの乾燥が不十分で有った為、保管時におけるドライクリーニング溶剤の気化に伴うガスによる変色である。 と

取次店方式の大工場では、クリーニング完了後、直ぐに包装し受け付け店に戻します。そして、お渡し時には、「袋から出して保管して下さい」と説明を付け加えます。此は、今回の様な事故を考え、回避する方便でも有ろうと思っております。本来、包装は完全に乾燥させてから行う物なのですが、「朝出して夜お渡し」をうたい文句にしている店では、完全に乾燥させる時間が無いはずです。
以前当店のお客様から「クリーニングから返った物は、クリーニングの臭いがするので、袋から出して一晩干してから仕舞っていた。当店の商品は、臭わないね!」と云われた事があり、「当店では、乾燥にたっぷり時間を掛けているので、その分、お渡しまでの時間を多く頂いています。」と説明します。乾燥不足の商品は、溶剤火傷や中毒を起こすなど、人身に関わる事故原因にも成ります。クリーニングから返った商品に、溶剤の臭いが残っていたら、必ず袋から出し、臭いが無くなるまでしっかり干してから着用する様にして下さい。
今回、この2点をクリーニングした2店とも表示通りの「ドライクリーニング処理」を行っていますが、素材を考えると「ウエットクリーニング」が最適だと私は考えます。
メーカーのケアラベルは、クレーム対策や担当者の不勉強により、本来ベストなクリーニング方法が選択されていない事が多々あります。当店では、素材や汚れに対して最適なクリーニング方法を洗濯(選択)して居りますので、ケアラベルとは違った方法で処理する事が多いことをご理解頂きたいと思います。

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明けましておめでとうございます。お目出たついでに!

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
今年こそは、もっと充実した内容をお届けしたいと思っております。
リクエストやコメント、宜しくお願いします。

おめでたいついでと云っては、なんなんですが、昨年大阪で開催されたクリーニング機器&資材展示会で見つけた、おめでたい商品をご紹介します。
名前は「プラチナウエディングパック」です。
ウエディングだからお目出たいと安易な発想はお許し下さいね!
なんと、「ウエディングドレスをクリーニングし、長期保存が出来る様に特殊なガスで密閉し、豪華なケースに入れて見ませんか?」と云った商品です。
東京の業者らしく、
クリーニング代+ウエディングパック代+送料=¥50.000− 位
ドレスによってクリーニング代が変わってきますので、金額は変わってきますが、ビックリする金額ですね!
関西ではちょっと無理がある様な気がします。
しかし、一生に一度?の大切なウエディングドレスです。
興味がある方は、ぜひ当店までお問い合わせ下さいね。

1月7日(月曜日)からの営業です。

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裏には裏がある!



12月の苦情委員会の事例其の2です。
写真は、レーヨン60% ナイロン40%のレースのスカートです。クリーニング後、刺繍の端が飛び出し、ぷつぷつとした毛玉の様に成っているとの苦情です。
顕微鏡で拡大してみても原因の掴みにくい事例でした。
表と裏を良く々々観察してみると、裏の方が手触りが良く、綺麗なのです。そうです、縫製時に生地の裏表を間違えて作られた様です。現在メーカーに問い合わせ中です。

さて、年末は今日で終わりです。一年間御贔屓有り難うございました。
新年は、1月7日(月曜日)よりの営業です。
良いお年をお迎え下さい。
来年もよろしくお願いします。

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顧客の偽装


12月の苦情委員会の事例其の一です。
写真の商品は、綿96% ポリウレタン4%の婦人物の生成ジャケットです。クリーニングお渡しの際、お客様が襟の色が白く成っているのに気付き苦情になりました。

苦情品にブラックライトを充てて見ると2枚目の写真の様に蛍光染料が粉状に付着しているのが解ります。家庭用のコンパクト洗剤を振り掛けた様に見えます。クリーニング店ではドライクリーニングを行っており、お客様の家庭洗濯による物であることが解ります。それをクリーニング店の失敗の様に苦情を申し立てたのです。こういった事は詐欺行為に当たりますので、くれぐれもなさらぬ様!!!

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ラメの消失



今月の苦情委員会の事例其の2です。
写真は、クリーニング店において不適切な染み抜きにより、ラメが消失した事例です。
ラメ(スリット糸)は、ポリエステルフィルムにアルミ等の金属を蒸着させて作ります。
この金属が、染み抜き剤の(フッ化水素−さび取り液)により光沢を失ってしまったのです。

このラメの金属が化学反応により光を失うのは、一般的には、以下の場合があります。

1)高温多湿の環境に長期間放置された場合(ポリ袋が掛けられていると、蒸発と結露を繰り返して金属が腐食する)

2)天然ゴム製品、硫酸加工紙、ウール製品(加工などにより表面に硫酸が存在する場合など)と隣り合って接触していた場合(変色の状態からハンガー掛けで隣り合っていた?)

3)金属の衣装缶に入れると「電池の原理」で金属が消費される。

4)防虫剤(ナフタリン)が使用されていた。

等です。
染み抜きは、化学薬品や、熱、等の化学反応と、超音波振動などの力学により行われます。
その為、化学薬品や熱の影響を受けやすいラメが使われている素材は、ほとんど染み抜きが出来ないのです。
ラメ(スリット糸)が使われた商品は、豪華で、ファッショナブルかもしれませんが、染み抜きが出来ない事をご承知の上での購入及び着用をお願いします。

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ビトン マッキントッシュタイプのコート

今月の苦情委員会の事例其一です。
ルイビトンのマッキントッシュタイプのコートをクリーニングし自然乾燥したところ、裏地の脱色が表地に移染したのです。基本的には洗濯不可となるゴム引きのマッキントッシュと違い、(当店でも、たまにゴム引きのマッキントッシュのコートをお預かりしますが、大変苦労します。)ポリウレタンのバックコーティング地を使ったコートで、手洗い可となっています。しかし、マッキントッシュタイプの問題点として乾きに時間が非常に掛かる所は同じです。その為、ポケット等に入った水は、乾燥に時間が掛かり、ポケットに使われた生地は長時間濡れたままになります。表地と裏地の間も同様です。

また、防水用に、縫い目から水の侵入を防ぐために貼られたテープも、ウレタンを使用しています。ウレタンは染料が定着しにくい素材ですので、縫い目の糸に染料が移動し、表から見えるように成ります。2年ほど前にも同様な事例があったのですが、一部改良されては要る様ですが、不十分の様です。イタリア本国の水は硬度が高い硬水、日本は軟水、水の違いも有るようです。お国柄が伺われますね!
しかし、高価なコートですので、しっかりと染色された生地を使って貰いたい物です

(>_<)
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革コートの便利グッズを紹介します。

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朝晩すっかり寒くなってきましたね!
慌てて革のコートをクリーニングに持って来られるお客様が増えてきました。しかし、当店を含めほとんどのお店では、革や毛皮製品は専門店に外注しています。その為、早くても2〜3週間はお時間を頂いています。お急ぎのお客様には、表面の艶出し等のお手入れをお勧めしています。お店によっては、説明せずに、表面を拭くだけでクリーニング代を請求する店も有るそうなのでご注意下さい。
革のコートなどをクリーニングするのは日本ぐらいだと聞いております。諸外国では、着潰すのだそうです。
汚れの程度によりますが、普段は、表面処理程度のお手入れで済ませ、3〜4年に一度クリーニングするのがお勧めです。

そこで、私が、普段自分の革製品の手入れに重宝している物を紹介します。
「ウイルソン タイヤ&レザーワックス」
ホームセンターのカー用品売り場にて500円前後で売られているのですが、スプレーし乾いたタオルで拭くだけで、艶と撥水効果が得られる便利グッズです。革のコートだけでなく靴や鞄にも使える為、常に玄関脇にタオルと一緒に置いています。

本来は、名前の通り、車のタイヤ、ソフトトプ、内装等に使う為の製品ですので高価な物への使用は避け、目立たない所で試してから、自己責任にてお試し下さいね。
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