暖かくなってきましたね


今週に入り、神戸は急に暖かく成ってきました。
皆様お住まいの地域はいかがですか?

もうカシミヤのコートやセーターは使う事が無く、あまり着用していない洋服は、クリーニングに出すか?、そのまましまうか?等と、考えている事でしょう。


以前にも書きましたが、タンスの虫は、蝶の様な生体で、着用して外出している時に、洋服に卵を産み付けています。
それが夏前に孵化して衣類を食べるタンスの虫に成るのです。そう、葉っぱの裏で孵化する青虫と同じです。
いっぱい繊維を食べて(特にカシミヤの様な高級繊維)大きくなると、蝶の様に外に飛んで行き、花の蜜を主食とします。つまり、タンスの虫は、タンスの中で生まれ、増えているのでは無いのです。
タンスの虫の被害をなくす為には、仕舞う前に必ずクリーニングをして、タンスの虫の卵を除去してからタンスに仕舞い、クリーニング前の衣類と接触させない様にするのが一番です。
虫穴は、カケツギで目立たなくは成りますが、小さい穴でも3・4千円は掛かりますし、強度も下がります。
クリーニング代の方が格段に安く付くと思いませんか?

カシミヤなどの高級繊維は、クリーニング店を選んで下さい。一般のスーツなどと一緒に洗う店は論外として(結構あります)、タンプラー(回転式乾燥機)や、静止乾燥機などを使用して乾燥させる店が大勢を占めますが、風合いを損ねる事になります。
必ず当店の様に、自然乾燥をしている店を選んで下さいね!

そして、風合いが硬くなった物は諦めずに、一度当店にご相談下さい。感覚に差は有りますが、有る程度、風合いを甦らせる事も出来ます。

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品質

先日、兵庫県クリーニング組合において、技術研究部会冬季研修会が開催されました。
(株)消費科学研究所 技術顧問の方のお話でした。
主に、大丸を主体とし、百貨店などのプライベートブランド(PB)商品の検査を行っている会社だそうです。
話を聞く限り、一般商店、スーパー等とは、大きく違った、独自の品質管理を行っており、大手ブランド店以上に厳しい設定をしている様です。
ただ、クリーニング店の私どもから視ると、幾つか首をかしげる内容もありました。
何せ、神戸にある私どもでは、大丸、そごう等の、百貨店オーダーシャツが、既製品に比べ、襟や、カフス(袖先)の縮が多く、粗悪な芯地を使っていると云う印象が強いからです。
ここで専門的な多くを書く事は出来ませんが、すべての商品が、百貨店並みの商品管理をされていれば、クリーニング事故は、格段に減少するはず、高いだけの値打ちが有る、と云う印象を受けました。
只、本当に消費科学研究所の話通りで有れば、百貨店の商品のクリーニング店に於けるクレームはもっと少ないはずなのです!!
目指す所と、実際に差があるのは、世の常ですね。(^_^;)

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脱色!


2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例
昨日に続、クリーニング業者の失敗例です。
写真は、綿100%のコートの襟部分です。
茶色の襟の1部分がオレンジ色に成っています。
染み抜きの失敗により茶色成分の一部色味が脱色しています。
此は、当店の近所にある、「染み抜き自慢の店」と大きく看板を出しているお店の失敗です。
ハッキリ言って、素人以下の染み抜きです。
普段から失敗が多く、私の知り合いの染み抜き専門店の上得意だそうです。しかし、今回はあまりにも脱色部分が大きく、専門店でも色直しを断ったそうです。
此も、「看板に偽りあり」で偽装の一つかも??

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シルクの白化



2月の兵庫県苦情委員会の事例2
先日はお客様が原因の事例でしたが、今日はクリーニング店の失敗です。
写真はシルクの生地にポリウレタンのパックコーディングを施した、いわゆるマッキントッシュタイプのコートです。
洗濯表示は手洗いもドライクリーニングも弱で可、タンプル乾燥不可の表示です。
そのコートをドライクリーニング後タンブル乾燥(家庭用の乾燥機を大きくした機械を想像して下さい)した為に全体的に斑斑に白化しました。
ポリウレタンのバックコーティングが施されているとはいえ、表面はシルクです。ご存知の様にシルクは大変デリケートな素材で、糸の切り口は三角形(△)です。特性としては、染まりにくく△の表面のみが染まり中心部分は染まらない為、摩擦で△の角が削れると中の染まっていない白い部分が出てくる為、白く目に映ります。着用時のチョットした擦れでも簡単に部分白化(袖口、襟、ポケット口、肘等が顕著)するくらいです。
クリーニング店では、原因が解らず、中から粉が吹き出たと思い検査に持って来られました。

今月の困った店其の1でした。

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着用時の摩擦による破損!



2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例です。
汗や、擦れ、シルク絨毯の使用による毛倒れなど、お客様の使用時に起きた形態変化の一般的な物ばかりでした。
その一つとして、今回は、非常に苦情の多い事例についてです。
写真は、綿60% シルク40%の半袖ブラウスの袖の付け根です。
生地の地の目がばらけて波打った様に成っています。アイロンの仕上げが悪い訳ではありません。
クリーニングに出す時は、クチャクチャになっていてお客様は、気が付いて無かった為、クレームになった物です。
この現象は、「目寄れ」と言って生地に強い力が掛かった時(特に湿気や濡れがあるとき)に起こる現象です。もっと酷くなると、糸と糸の間に隙間が出来たり(スリップ、目明き)、破れたりします。
破れた場合は、お客様も直ぐに理解出来るのですが、中途半端に型が付いただけだと、理解しにくいみたいですね!
最近はデザイン重視に設計され、袖ぐりが小さくて、袖の付け根近辺に強い力が掛かり、又、脇の汗が加わる事により目寄れが起きやすい物が多く見受けられます。
今回の製品には、内側に付いているケアラベルにも製品の特性として説明の記載が付いていました。
しかし、いつもの事ですが、購入時に店頭での説明が必要なはずです。きっと、説明を聞けばお客様は購入し無かったはずです。

同じ様な事例としては、スカート(特にタイト)の裏地にも、同じ様に目寄れやスリップ、目明きがよく起きます。暑く汗ばんだ時、電車に飛び乗ったり、信号が変わり掛けてちょっと走ったり、するだけでも起きる事があります。と、お客様には説明するのです。
しかし、トップスやスカートに関わらず、苦情が増えるのが一月なのです。正月休みに、お餅が加わり、お客様には脂肪と体重も加わる為この時期の名物とクリーニング業界では云われています。
しかし、お客様には絶対に云えない原因です。
なのに書いてしまいました(^_^;)

最後は読まなかった事にして下さいね<(_ _)>

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お客様の勘違い!



2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の報告前に、昨年12月29日の事例の確認情報です。
内容はレーヨン60% ナイロン40%のレースのスカートです。クリーニング後、刺繍の端が飛び出し、ぷつぷつとした毛玉の様に成っているとの苦情でした。
私たちは、生地の裏表を間違えて縫製したのではないかとの考えから、メーカーに問い合わせしていましたが、その返事を先日確認する事が出来ました。
「毛玉の様に処理をした生地であり、裏表を間違えたのではない」との回答でした。
つまり、お客様が買われた時から、この様な商品であり、お客様がこの商品の特徴をご存じなかった。もしくは忘れていた。と言う事になります。
笑い話の様な結末ですが、こういったお客様の勘違いによるクレームは大変多く、対応に苦慮します。
こんな話を思い出しました。
「ピンクのスーツを購入し、スカートにシミが付いたのでスカートだけをクリーニングに出したら、白になって返ってきた」という苦情があり、販売店に問い合わせたら、
「元々、ピンクのジャケットと白のスカートの組み合わせによる販売です。」という返事が返ってきた。
この事をお客様にお伝えしても、「ピンクのスカートだった」の一点張りで 、最終的には、白のスカートをジャケットと同じピンク色に染めたと聞いております。

こういったお客様の勘違いは大変多いです。
クリーニングに出す時は、良く自分の洋服をよく見てからにして下さいね(T_T)

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ガスによる変色?



2008年最初の苦情委員会の事例です。
虫食いや、塩化ビニールの硬化等のありふれた事例ばかりでしたが、同じ原因であろうと思われる2点についての検証です。
表地は、一方は綿+ポリエステル、他方は綿+ナイロン、と少し違いますが、どちらも中綿にダウンを使用し 茶色−>グリーン 濃いグリーン−>薄いグリーン と一見 Noxガス による、変色の様に見えます。
クリーニング方法も「ドライクリーニング」をしているとの申告です。
ケアラベルには「手洗い不可 ドライクリーニング可」と成っていますので、メーカーの指定通りに行っています。
鑑定に持ち込んだクリーニング店も、「Noxガスによる保管中の変色である」との鑑定を見込んでいたのかも知れません。
しかし、一般的なNoxガスによる変色とは違い、変色が広範囲に及んでいます。
そこで、当委員会では、次の様に考えました。

ドライクリーニングの乾燥が不十分で有った為、保管時におけるドライクリーニング溶剤の気化に伴うガスによる変色である。 と

取次店方式の大工場では、クリーニング完了後、直ぐに包装し受け付け店に戻します。そして、お渡し時には、「袋から出して保管して下さい」と説明を付け加えます。此は、今回の様な事故を考え、回避する方便でも有ろうと思っております。本来、包装は完全に乾燥させてから行う物なのですが、「朝出して夜お渡し」をうたい文句にしている店では、完全に乾燥させる時間が無いはずです。
以前当店のお客様から「クリーニングから返った物は、クリーニングの臭いがするので、袋から出して一晩干してから仕舞っていた。当店の商品は、臭わないね!」と云われた事があり、「当店では、乾燥にたっぷり時間を掛けているので、その分、お渡しまでの時間を多く頂いています。」と説明します。乾燥不足の商品は、溶剤火傷や中毒を起こすなど、人身に関わる事故原因にも成ります。クリーニングから返った商品に、溶剤の臭いが残っていたら、必ず袋から出し、臭いが無くなるまでしっかり干してから着用する様にして下さい。
今回、この2点をクリーニングした2店とも表示通りの「ドライクリーニング処理」を行っていますが、素材を考えると「ウエットクリーニング」が最適だと私は考えます。
メーカーのケアラベルは、クレーム対策や担当者の不勉強により、本来ベストなクリーニング方法が選択されていない事が多々あります。当店では、素材や汚れに対して最適なクリーニング方法を洗濯(選択)して居りますので、ケアラベルとは違った方法で処理する事が多いことをご理解頂きたいと思います。

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明けましておめでとうございます。お目出たついでに!

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
今年こそは、もっと充実した内容をお届けしたいと思っております。
リクエストやコメント、宜しくお願いします。

おめでたいついでと云っては、なんなんですが、昨年大阪で開催されたクリーニング機器&資材展示会で見つけた、おめでたい商品をご紹介します。
名前は「プラチナウエディングパック」です。
ウエディングだからお目出たいと安易な発想はお許し下さいね!
なんと、「ウエディングドレスをクリーニングし、長期保存が出来る様に特殊なガスで密閉し、豪華なケースに入れて見ませんか?」と云った商品です。
東京の業者らしく、
クリーニング代+ウエディングパック代+送料=¥50.000− 位
ドレスによってクリーニング代が変わってきますので、金額は変わってきますが、ビックリする金額ですね!
関西ではちょっと無理がある様な気がします。
しかし、一生に一度?の大切なウエディングドレスです。
興味がある方は、ぜひ当店までお問い合わせ下さいね。

1月7日(月曜日)からの営業です。

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裏には裏がある!



12月の苦情委員会の事例其の2です。
写真は、レーヨン60% ナイロン40%のレースのスカートです。クリーニング後、刺繍の端が飛び出し、ぷつぷつとした毛玉の様に成っているとの苦情です。
顕微鏡で拡大してみても原因の掴みにくい事例でした。
表と裏を良く々々観察してみると、裏の方が手触りが良く、綺麗なのです。そうです、縫製時に生地の裏表を間違えて作られた様です。現在メーカーに問い合わせ中です。

さて、年末は今日で終わりです。一年間御贔屓有り難うございました。
新年は、1月7日(月曜日)よりの営業です。
良いお年をお迎え下さい。
来年もよろしくお願いします。

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顧客の偽装


12月の苦情委員会の事例其の一です。
写真の商品は、綿96% ポリウレタン4%の婦人物の生成ジャケットです。クリーニングお渡しの際、お客様が襟の色が白く成っているのに気付き苦情になりました。

苦情品にブラックライトを充てて見ると2枚目の写真の様に蛍光染料が粉状に付着しているのが解ります。家庭用のコンパクト洗剤を振り掛けた様に見えます。クリーニング店ではドライクリーニングを行っており、お客様の家庭洗濯による物であることが解ります。それをクリーニング店の失敗の様に苦情を申し立てたのです。こういった事は詐欺行為に当たりますので、くれぐれもなさらぬ様!!!

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