D&Gのシャツ


兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例2です。
写真はDOLCE & GABBANA のシャツで、素材は綿100% です。薄紫色生地の赤みが無くなり水色に成っている部分が有ります。襟、カフス、前立ての一部に見られることから、機械プレス行程の最初の段階で使用する、襟+カフスプレス機でプレスした部分が変色していると推測されます。襟+カフスプレス機は生地が何重にも重ねられている部分を処理するため、他の部分に使うプレス機と比べると、温度、圧力が高く時間も長い為、生地を染めている染料が耐え切れず、熱昇華変色を起こしたと考えられます。
只、ケアラベルが、正規輸入された商品に付いている物とは明らかに違いますので、並行輸入されたものか、コピー商品では無いかと私は考えています。
原因としては、
1)染色不良で有る
2)ブランド品を安価なシャツ並に機械仕上げした
このどちらか、もしくは両方が原因でしょう。
当店でも、高級シャツは<手仕上げ>をお勧めしますがほとんどのお客様は、安価な<普通仕上げ>で良いと云われる事がほとんどです。
高級品のクリーニングはケチらず、高級(デラックス)クリーニングをご指定下さい。m(_ _)m

衣料の美容室のHPも宜しくお願いします。( http://www.sentaku8.com )

ネクタイの傷



4月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例1です。
写真では解りにくいかもしれませんがネクタイに、斜めに傷が見受けられます。
傷の様に見える部分を顕微鏡で確認すると、傷の様に見える部分の糸が消失していることが確認できました。
また、数カ所に糸の引っかけも見つかりました。
そのことから、糸の引っかけを毛玉取りで処理したため、糸が毛玉取り器に巻き取られる様に引きちぎられ、抜け欠けた糸が傷の様に見える現象が起きたと考えられます。
飛び出た糸は、毛玉取り器やはさみで処理せず、生地の裏側へ、押し込む様に処理して下さいね <(_ _)>

衣料の美容室のHPも宜しくお願いします。( http://www.sentaku8.com

ロット違い?



3月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会のクレーム事例です。
写真は綿100%のパンツです。
ドライクリーニングとウエットクリーニングのWクリーニングを行っています。
パーツごとに色合いが変わっているのが解ります。
メーカーが倒産しているため、新品時の状態がどの様で有ったかは不明です。しかし、苦情品を見る限りは、デザイン的な物か、もしくは、製造時のロット不良のどちらかで有ると思われます。
ロット不良とは、生地の生産時、何百mも生産してきますので、最初と最後では、微妙に色合いが変わったりするのは良くあることです。その為、縫製時には出来るだけ近くのパーツ同士を縫い合わせます。それを間違えると、縫い合わせ部分で色合いの変化が出たり、着用&クリーニングを繰り返すことで、染色強度の違いが表面化したりします。
製造時にロット不良が表面化している場合、本来は不良品として廃棄されるのが、普通です。しかし、こういった商品を専門に修正し、一見正常品にしてしまう専門の工場も存在します。修正専門工場の一つに、私の友人が見学に行くと、超有名ブランドの製品達がいっぱいあったそうです。
修正は、所詮修正です。完璧に正常品にしている訳では有りません。その為、着用&クリーニングを繰り返すことで、修正が徐々にはがれて行き、クリーニング店でクレームになることも多々有るのです。
高級品である・高額品であるから商品ではなく、クリーニングの責任であるという思いこみをされるお客様も居られます。しかしながら特にブランド商品の値段は、「原価計算からでなく、いくらの値段を付けると一番よく売れるのか!」で決まるそうです。ヨーロッパの超高級スーツも、定価の1〜3%程度が値段の日本製の生地を使用しているとも聞いています。
高級・高額品こそ、こういった修正品の販売は止めるべきですよね!!

衣料の美容室のHPも宜しく( http://www.sentaku8.com )

兵庫県クリーニング組合苦情委員会



兵庫県クリーニング生活衛生同業組合で毎月行われている苦情委員会の風景です。
兵庫区クリーニング組合で作成するリーフレット用に撮影を依頼されたもので、ブログにも載せることにしました。

●クリーニング組合員(主にTES所有者)
●繊維検査所
●兵庫県消費生活センター
●TES会西日本
から集まっております。
欠席者もおり、一部帰った後での撮影となり、普段はあと3〜4名多い人数で協議しております。

クリーニング店を通して検査依頼を行って頂いております。
この様な検査は、兵庫県を含み4〜5都道府県でしか行われて無いのが現状です。
検査が行われていない地域にお住まいの方は、東京にある全国クリーニング生活衛生同業組合( http://www.zenkuren.or.jp/ )にお問い合わせ下さい。

ちなみに、左で簡易顕微鏡を覗いているのが私です。

これからも気になる事例などを紹介して行きますのでよろしくお願いします。

衣料の美容室のHPもよろしく( http://www.sentaku8.com )

暖かくなってきましたね


今週に入り、神戸は急に暖かく成ってきました。
皆様お住まいの地域はいかがですか?

もうカシミヤのコートやセーターは使う事が無く、あまり着用していない洋服は、クリーニングに出すか?、そのまましまうか?等と、考えている事でしょう。


以前にも書きましたが、タンスの虫は、蝶の様な生体で、着用して外出している時に、洋服に卵を産み付けています。
それが夏前に孵化して衣類を食べるタンスの虫に成るのです。そう、葉っぱの裏で孵化する青虫と同じです。
いっぱい繊維を食べて(特にカシミヤの様な高級繊維)大きくなると、蝶の様に外に飛んで行き、花の蜜を主食とします。つまり、タンスの虫は、タンスの中で生まれ、増えているのでは無いのです。
タンスの虫の被害をなくす為には、仕舞う前に必ずクリーニングをして、タンスの虫の卵を除去してからタンスに仕舞い、クリーニング前の衣類と接触させない様にするのが一番です。
虫穴は、カケツギで目立たなくは成りますが、小さい穴でも3・4千円は掛かりますし、強度も下がります。
クリーニング代の方が格段に安く付くと思いませんか?

カシミヤなどの高級繊維は、クリーニング店を選んで下さい。一般のスーツなどと一緒に洗う店は論外として(結構あります)、タンプラー(回転式乾燥機)や、静止乾燥機などを使用して乾燥させる店が大勢を占めますが、風合いを損ねる事になります。
必ず当店の様に、自然乾燥をしている店を選んで下さいね!

そして、風合いが硬くなった物は諦めずに、一度当店にご相談下さい。感覚に差は有りますが、有る程度、風合いを甦らせる事も出来ます。

衣料の美容室のHPも宜しく( http://www.sentaku8.com

品質

先日、兵庫県クリーニング組合において、技術研究部会冬季研修会が開催されました。
(株)消費科学研究所 技術顧問の方のお話でした。
主に、大丸を主体とし、百貨店などのプライベートブランド(PB)商品の検査を行っている会社だそうです。
話を聞く限り、一般商店、スーパー等とは、大きく違った、独自の品質管理を行っており、大手ブランド店以上に厳しい設定をしている様です。
ただ、クリーニング店の私どもから視ると、幾つか首をかしげる内容もありました。
何せ、神戸にある私どもでは、大丸、そごう等の、百貨店オーダーシャツが、既製品に比べ、襟や、カフス(袖先)の縮が多く、粗悪な芯地を使っていると云う印象が強いからです。
ここで専門的な多くを書く事は出来ませんが、すべての商品が、百貨店並みの商品管理をされていれば、クリーニング事故は、格段に減少するはず、高いだけの値打ちが有る、と云う印象を受けました。
只、本当に消費科学研究所の話通りで有れば、百貨店の商品のクリーニング店に於けるクレームはもっと少ないはずなのです!!
目指す所と、実際に差があるのは、世の常ですね。(^_^;)

衣料の美容室のHPも宜しく( http://www.sentaku8.com )

脱色!


2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例
昨日に続、クリーニング業者の失敗例です。
写真は、綿100%のコートの襟部分です。
茶色の襟の1部分がオレンジ色に成っています。
染み抜きの失敗により茶色成分の一部色味が脱色しています。
此は、当店の近所にある、「染み抜き自慢の店」と大きく看板を出しているお店の失敗です。
ハッキリ言って、素人以下の染み抜きです。
普段から失敗が多く、私の知り合いの染み抜き専門店の上得意だそうです。しかし、今回はあまりにも脱色部分が大きく、専門店でも色直しを断ったそうです。
此も、「看板に偽りあり」で偽装の一つかも??

衣料の美容室のHPも宜しく( http://www.sentaku8.com

シルクの白化



2月の兵庫県苦情委員会の事例2
先日はお客様が原因の事例でしたが、今日はクリーニング店の失敗です。
写真はシルクの生地にポリウレタンのパックコーディングを施した、いわゆるマッキントッシュタイプのコートです。
洗濯表示は手洗いもドライクリーニングも弱で可、タンプル乾燥不可の表示です。
そのコートをドライクリーニング後タンブル乾燥(家庭用の乾燥機を大きくした機械を想像して下さい)した為に全体的に斑斑に白化しました。
ポリウレタンのバックコーティングが施されているとはいえ、表面はシルクです。ご存知の様にシルクは大変デリケートな素材で、糸の切り口は三角形(△)です。特性としては、染まりにくく△の表面のみが染まり中心部分は染まらない為、摩擦で△の角が削れると中の染まっていない白い部分が出てくる為、白く目に映ります。着用時のチョットした擦れでも簡単に部分白化(袖口、襟、ポケット口、肘等が顕著)するくらいです。
クリーニング店では、原因が解らず、中から粉が吹き出たと思い検査に持って来られました。

今月の困った店其の1でした。

衣料の美容室のHPも宜しく( http://www.sentaku8.com

着用時の摩擦による破損!



2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例です。
汗や、擦れ、シルク絨毯の使用による毛倒れなど、お客様の使用時に起きた形態変化の一般的な物ばかりでした。
その一つとして、今回は、非常に苦情の多い事例についてです。
写真は、綿60% シルク40%の半袖ブラウスの袖の付け根です。
生地の地の目がばらけて波打った様に成っています。アイロンの仕上げが悪い訳ではありません。
クリーニングに出す時は、クチャクチャになっていてお客様は、気が付いて無かった為、クレームになった物です。
この現象は、「目寄れ」と言って生地に強い力が掛かった時(特に湿気や濡れがあるとき)に起こる現象です。もっと酷くなると、糸と糸の間に隙間が出来たり(スリップ、目明き)、破れたりします。
破れた場合は、お客様も直ぐに理解出来るのですが、中途半端に型が付いただけだと、理解しにくいみたいですね!
最近はデザイン重視に設計され、袖ぐりが小さくて、袖の付け根近辺に強い力が掛かり、又、脇の汗が加わる事により目寄れが起きやすい物が多く見受けられます。
今回の製品には、内側に付いているケアラベルにも製品の特性として説明の記載が付いていました。
しかし、いつもの事ですが、購入時に店頭での説明が必要なはずです。きっと、説明を聞けばお客様は購入し無かったはずです。

同じ様な事例としては、スカート(特にタイト)の裏地にも、同じ様に目寄れやスリップ、目明きがよく起きます。暑く汗ばんだ時、電車に飛び乗ったり、信号が変わり掛けてちょっと走ったり、するだけでも起きる事があります。と、お客様には説明するのです。
しかし、トップスやスカートに関わらず、苦情が増えるのが一月なのです。正月休みに、お餅が加わり、お客様には脂肪と体重も加わる為この時期の名物とクリーニング業界では云われています。
しかし、お客様には絶対に云えない原因です。
なのに書いてしまいました(^_^;)

最後は読まなかった事にして下さいね<(_ _)>

衣料の美容室のHPも宜しく( http://www.sentaku8.com )

お客様の勘違い!



2月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の報告前に、昨年12月29日の事例の確認情報です。
内容はレーヨン60% ナイロン40%のレースのスカートです。クリーニング後、刺繍の端が飛び出し、ぷつぷつとした毛玉の様に成っているとの苦情でした。
私たちは、生地の裏表を間違えて縫製したのではないかとの考えから、メーカーに問い合わせしていましたが、その返事を先日確認する事が出来ました。
「毛玉の様に処理をした生地であり、裏表を間違えたのではない」との回答でした。
つまり、お客様が買われた時から、この様な商品であり、お客様がこの商品の特徴をご存じなかった。もしくは忘れていた。と言う事になります。
笑い話の様な結末ですが、こういったお客様の勘違いによるクレームは大変多く、対応に苦慮します。
こんな話を思い出しました。
「ピンクのスーツを購入し、スカートにシミが付いたのでスカートだけをクリーニングに出したら、白になって返ってきた」という苦情があり、販売店に問い合わせたら、
「元々、ピンクのジャケットと白のスカートの組み合わせによる販売です。」という返事が返ってきた。
この事をお客様にお伝えしても、「ピンクのスカートだった」の一点張りで 、最終的には、白のスカートをジャケットと同じピンク色に染めたと聞いております。

こういったお客様の勘違いは大変多いです。
クリーニングに出す時は、良く自分の洋服をよく見てからにして下さいね(T_T)

クリーニングショップ衣料の美容室 ( http://www.sentaku8.com )