「漂白したのにかえって黄色くなった!!」と云った相談が最近よくあります。この漂白とは、「キッチンハイター」での漂白です。このキッチンハイターは、主成分が次亜塩素酸ナトリウムという薬品で作られており、強い、漂白、除菌作用があります。つまり キッチンで使われるフキンなどには最適な薬剤でもあります。しかし、このハイターを、衣料品やシーツに使うと、白く(漂白)するつもりが、逆に黄色く成る事があります。この黄色は、「ハイドロサルファイト(還元剤)」と言う薬品で元に戻るはずなのです。
が、元々白い繊維というのは、無く、生成の白が綿繊維本来の色で、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維に於いては、黒みがかかっています。そのため、最近の繊維には、蛍光増白剤が使用され、白く染めていると考えて頂いても良いかと思います。
ハイターやハイドロを使った為に蛍光増白剤が取れ繊維本来の色に戻った為黄色や黒っぽく成った様に見えるのです。
それでは、「蛍光増白剤を付けると良いのでは」と考えるのですが、これが簡単には、付かないのです。有色の染料を使って染色補正をするより、光に反応して目の錯覚を利用して白色を表現する為、大変難しく蛍光灯の下では、解らなくても、太陽光の下やブラックライトなどでは、ハッキリと解る事がほとんどです。
衣料品の漂白には、「酸素系漂白剤」又は、「過炭酸ナトリウム」や「過酸化水素」等の主成分で、「色柄物にも使えます」と表示された製品を使うようにして下さいね!![E:club]
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節水型洗濯機−3
節水型洗濯機について第3弾です。
以前、ATTS(繊維製品品質管理士のアパレルやクリーニング、家電、洗剤メーカー等々が集まる勉強会)において、洗濯機の評価試験が行われた結果発表の場に出席する機会がありました。5回 10回と同じ衣料品を洗濯し、縮などを詳しく検査していました。
クリーニング業を営む物として、驚いた事は、業務用の大型洗濯機で洗った場合と、家庭用の洗濯機で洗った場合とで、大差がなかった事です。業務用では、ある程度の熱量を加えて洗う為、家庭より縮が大きいのかと思っていたからです。
しかし、一機種だけ他より抜きん出て縮が少ない機種がありました。ビートウオッシュと云う特殊な洗浄方法の機種で、一時多くコマーシャルで見かけた記憶がお有りかと思います。時代は刻一刻と進歩しているのですね!!
次回 同じ様な評価試験が行われた時には、「流石に業務用は違う」と思える様な機械が出来ている事を切望する次第です。
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節水型洗濯機−2
家庭用節水型洗濯機の第2弾です。
最近流行の節水型洗濯機。確かに洗濯のみで有れば節水に成っているそうです。
しかし、乾燥も同時に出来る、洗濯乾燥機。
この乾燥機能を使うには、大量の水を使用する事をご存知ですか?
ヒーターで洗濯物を乾燥した時に発生する水蒸気を水道水で冷却して水に戻して排水する為です。
これには、洗濯に使用した水と同量以上の水を使用しています。
一部の空冷式 もしくは ヒートポンプ式は水を使用していないそうです。
洗濯機を買い換える時には、宣伝文句に惑わされず、良く比較して購入する必要が有りそうです!!
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レーヨンのシャツ
最近レーヨンのシャツが沢山持ち込まれてきます。しかも、夏物の半袖シャツです。ご存じの方も多いかと思いますが、レーヨンは昔、人絹と呼ばれパルプからシルクに似せた繊維を作り出した物で、光沢や肌触りが良いのですが、水に濡れるとすごく縮み、染色も弱いのが特徴です。
写真のように、雨や汗で色が出て来たり、汗を取る為に水で洗うと、大人用が子供用まで縮んだりします。汗が付いたままドライクリーニングのみで済ませると、来年着ようとすると黄変していたり、袖を通した途端に破れたりします。
カラフルで肌触りの良いレーヨンシャツですが、日本の様に高温多湿な所には不向きな衣料品で有る事を覚えておいて下さい。日本の夏には、綿や麻の素材が一番似合います。
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臓器提供意思表示カード
臓器提供意思表示カードを、店頭にてお配りしております。本人用と家族に意志を示す為に渡しておく用、免許証に貼り付けるタイプの3種類が入っています。必要な方は、どうぞご自由にお持ち帰り下さいね!
また、衣料の美容室のHP リンクのページに、
(http://www.sentaku8.com/link.html)
ご自分で印刷出来るPDFファイルを置いて有ります。ご利用下さい。
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神戸初!オレンジドライ
一般的なドライクリーニングでは、石油から精製された溶剤を使用しています。衣料の美容室では、地球環境や健康を考え、オレンジなどの皮から精製されたオレンジオイル(d−リモネン)と、天然ガスから精製された溶剤をブレンドしてクリーニングに使用しています。
太陽の光を沢山浴びて育ったオレンジの力で洗浄力をアップ!
従来の石油溶剤には無かった、植物が外的から実を守る為に備わった天然の抗菌・防虫効果があります。
自然からの豊かな贈り物。オレンジドライでロハスなクリーニングを推進します。
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バーバーリーのコート
毎月1回、兵庫県クリーニング生活衛生同業組合では、クリーニングトラブルに対する審査会を開いております。クリーニングから帰ってきたら変色していたり、穴が開いていたりでクリーニング店でトラブルになった事はありませんか?そのような場合、クリーニング店経由で審査会に鑑定を依頼して下さい。私たち審査委員が中立な立場に立って責任の所在を鑑定いたします。
先日バーバーリーのコートを初めてクリーニングに出して戻ってきたら斑に成っていたという苦情品が持ち込まれていました。
このコートは、お客様がホノルルで昨年購入された物で、表地が ポリエステル65% ポリウレタン35%で ドライクリーニングのみ の外国語の表示タグが付いていました。
これをクリーニング店では、表示通りのドライクリーニング(パークロルエチレンによる)を行ったそうです。
写真でも解るように、この生地は、ポリエステル生地にポリウレタンのバックコーティングを行った物で、このポリウレタンがドライクリーニングすることで、急激に劣化し、部分的に剥がれた為、斑に見えたのです。(当店では、素材を見てクリーニング処理方法を決めますので、この素材では、ウエットクリーニングを行っていたでしょう。)
この場合の責任は、クリーニング店にはなく、日本の気候風土に適さない商品をお客様がホノルルで購入された事にあります。日本で購入された場合は、クリーニング表示が間違っているという事でメーカーに責任が有る事に成ります。
日本でポリウレタンは、製造されてから3年が寿命ですので、最近の製品には製造年月日が表示されていなければ成りません。日本の高温多湿の環境と、ホノルルの環境ではポリウレタンの劣化速度が違います。国が違えば、衣料品のメインテナンスに対する考え方もまるっきり違っていて、外人では苦情にならない事でも、神経質な日本人には、許容出来ない可能性が有る事を頭の隅に置いていて下さい。
このゴールデンウイーク、海外に行かれて購入された商品をクリーニングに出す時には、しっかりとした店をセンタクしてください。
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タンスの虫の生態をご存じですか?
タンスの虫をご存じですか?
そう、あのイガ等の洋服を食べる虫の事です。
この虫は、タンスの中に巣を作っているのではありません。
生態は、蝶に似ているのです。
成虫は、花の蜜を吸って生活しています。
この成虫は、私たちが外を歩いている時などに、洋服に卵を産み付けているそうです。そのまま帰宅して、洋服をタンスにしまうと、卵が孵化し、あのタンスの虫が生まれるのだそうです。
大切な洋服が害虫被害に遭わない様にする方法は無いのでしょうか?
もっとも有効な方法は?
この卵が孵化するまでに半年ほどかかると聞いています。
シーズンが終わると必ずクリーニングしてから仕舞うようにして下さい。
たとえ、安物で気に入らない洋服であっても、タンスの虫は、孵化した後、お気に入りで高価なカシミヤなどのソフトな素材の方に移動します。そう、意外にもグルメなのです[E:restaurant]。
ゴンでお馴染みのキンチョーのサイトにも詳しく載っています。
http://www.kincho.co.jp/gaichu/gaichu_f.html
こまめに、信頼の置ける店でクリーニングをしてから仕舞うようにするのが、一番節約に成るという事を、今一度記憶に留めて下さい。
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タピオカ?
タピオカ は皆さんご存じですよね!そうです、あの台湾のデザートでお馴染みのタピオカです。タピオカの原材料は「キャッサバ」というイモの澱粉!!
これを練って作るのがつぶつぶのタピオカデザートです。
http://www.tapiocaworld.jp/toknow.html
この原材料「キャッサバ」というイモの澱粉は、洗濯糊としても使えるのです。
現在、クリーニング店で使用されている糊は、酢ビ(酢酸ビニール)糊か、コーンスターチ(トウモロコシが原材料の糊)がほとんどです。コーンスターチは、天然材料の糊なのですが、年月が経つと黄色く変色しやすいのが難点でした。
私も、このタピオカ糊が手にはいるとは、思っていませんでしたが、業務用洗濯糊として売られている事を知り、当店でも使って見る事にしました。
まずは、カッターシャツや白衣に使ってみていますが、独特の肌触りがあります。
一度お試し下さいね!!
ポケットのゴミ
昨日お昼のワイドショーで、ライブドアーの故野口氏の奥様が、ご主人が事件当時着ていたコートのポケットの中から不審な木くずが出てきたという話をしておられました。
このとき、職業柄なのでしょうが不思議に思う事があります。というのは、このコートは事件後、一度クリーニングに出されているという事です。
当店を含め、チャントした店は、クリーニング処理をする前に、ポケットをひっくり返し、ブラシ掛けをしホコリに至るまでキッチリと処理します。
皆さんも、クリーニングから帰ってきた洋服のポケットをひっくり返して、確認してみてください。キッチリした店かそうでないか解りますよ!!
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