毎月1回、兵庫県クリーニング生活衛生同業組合では、クリーニングトラブルに対する審査会を開いております。クリーニングから帰ってきたら変色していたり、穴が開いていたりでクリーニング店でトラブルになった事はありませんか?そのような場合、クリーニング店経由で審査会に鑑定を依頼して下さい。私たち審査委員が中立な立場に立って責任の所在を鑑定いたします。
先日バーバーリーのコートを初めてクリーニングに出して戻ってきたら斑に成っていたという苦情品が持ち込まれていました。
このコートは、お客様がホノルルで昨年購入された物で、表地が ポリエステル65% ポリウレタン35%で ドライクリーニングのみ の外国語の表示タグが付いていました。
これをクリーニング店では、表示通りのドライクリーニング(パークロルエチレンによる)を行ったそうです。
写真でも解るように、この生地は、ポリエステル生地にポリウレタンのバックコーティングを行った物で、このポリウレタンがドライクリーニングすることで、急激に劣化し、部分的に剥がれた為、斑に見えたのです。(当店では、素材を見てクリーニング処理方法を決めますので、この素材では、ウエットクリーニングを行っていたでしょう。)
この場合の責任は、クリーニング店にはなく、日本の気候風土に適さない商品をお客様がホノルルで購入された事にあります。日本で購入された場合は、クリーニング表示が間違っているという事でメーカーに責任が有る事に成ります。
日本でポリウレタンは、製造されてから3年が寿命ですので、最近の製品には製造年月日が表示されていなければ成りません。日本の高温多湿の環境と、ホノルルの環境ではポリウレタンの劣化速度が違います。国が違えば、衣料品のメインテナンスに対する考え方もまるっきり違っていて、外人では苦情にならない事でも、神経質な日本人には、許容出来ない可能性が有る事を頭の隅に置いていて下さい。
このゴールデンウイーク、海外に行かれて購入された商品をクリーニングに出す時には、しっかりとした店をセンタクしてください。