ウォーキングクローゼット

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先日、久しぶりにリフォーム番組を見ていて思い出した事です。
リフォーム流行の折り、洋服の収納に便利な大きなウォーキングクローゼットがどの番組にも登場していました。
このとき、いつも気になった事があります。
それは、大きな窓から太陽の光が入り、明るいウォーキングクローゼットが多く紹介されており、この明るいWクローゼットを見るたびに、暗い気持ちになったのです。
洋服にとって、太陽光は大敵なのですから!
蛍光灯でも同様に日焼けをします。
当店では、四半世紀以上前から店内の照明には大変神経を使っております。
全ての蛍光灯は、美術館や博物館で大切な展示物を変色から守る為に使われている、<美術館用紫外線吸収幕付き蛍光灯>を使用し、窓には、紫外線カットフィルムを張っているほどです。
この蛍光灯は、一般の蛍光灯に比べ2〜3倍くらいの値段ですが、皆さんもWクローゼット内には、是非使用し、窓には、雨戸や暗幕・紫外線カットフィルムの使用を是非とも考慮下さい。
太陽光や、蛍光灯による色焼け、変色、退色等の事故は、大変多いのです。

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色泣き

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最近同類の事例が持ち込まれていた為、気になった事が有ります。
それは、色泣き。(淡色と濃色の生地を組み合わせた場合、濃色の色が淡色の処ににじみ出て来る事です。)
その中で、白地に黒を組み合わせた、数社の超高級ブランドの商品です。
原因としては、
1)染色堅牢度の不足(染色不良・染色後の洗浄不足・劣化による染料の溶出)
2)生地の選択間違い(綿と革の様に、異素材を組み合わせた為に洗えない)
3)クリーニング方法の不適切(溶剤管理が悪い・洗浄方法の間違い 等)
上記や、上記の組み合わせにより起こります。
やはり、一番の原因は、メーカーやデザイナーの企画間違いによる物です。
斬新なデザインには、思わぬ落とし穴が有る事もご承知おき下さい。

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3歳に成りました?

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「3歳に成りました。」
どこかで聞いたフレーズだなと思われた方は、いませんか?
その方は、正解です。
生体肝移植を受けて、3年が経ちました。
「以前の様に元気になりました」とまでは、いきませんが、毎日がリハビリのつもりで、仕事をしています。
長い目で見守ってやって下さい <(_ _)>

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収縮−其の3

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前々回のシャツの収縮について書き忘れていた事です。
カッターシャツの収縮でもう一つ問題がある事はは、芯地の収縮です。
クリーニング店では、昔から、洗い上がった後、乾燥をせずに、濡れた状態でプレス作業を行います。これは、プレス後時間とともにシワが戻る(伸ばしたシワが再度浮き上がってくる)事を防ぐ為です。しかしながら、ほとんどのシャツに使用されている芯地は、この作業に対応出来ていません。
芯地メーカーでは、対応済みの芯地が開発、販売されています。しかしながら、コストアップになる事をいやがり、全然売れないそうです。(芯地メーカの方が嘆いていました)
特に、デバートのオーダーや専門店で使用されている芯地ほど安い粗悪品を使う傾向にあります。
高級品こそ良い芯地を使ってほしい物ですね!!

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収縮ー其の2

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前回、シャツの収縮について書きましたが、最近、特に多いのが、ストレッチ素材の収縮です。
そうです、あの伸びたり縮んだりする素材です。
伸びたり縮んだりする素材といえば、すぐにゴムを想像できると思います。
そうです、あのゴムが繊維に織り込まれているのです。
素材表示には、ポリウレタン3% 等と表示されているのをご覧になっていると思います。
3%だから100本の糸の内の3本だから、伸びたり縮んだりしても大した事は無いと思いがちですが、この比率は、重量比なのです。
ポリウレタンの場合、3%と書いてあると、30%(100本の糸の内の30本)と頭の中で修正して下さい。
ストレッチ素材の場合は、前回説明したテンションの掛かり方が大きく、30%以上の収縮が有った事例も沢山あります。
ヨーロッパの有名ブランドのパンツ(4〜5万円)の場合、縦に伸び縮するように裁断されていた為、丈で20cm以上縮んでいるのを見た事があります。
横のストレッチの場合はきつくなっても着用を続ける事は可能ですが、縦にこれだけ縮んでは、どうでしょう?
購入時には、引っ張って確認する事をお薦めします。

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収縮

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最近、苦情委員会において、収縮の事例がありました。
商品はカッターシャツ(ワイシャツ)です。
昔、カッターシャツ売り場では、シャツを買いに行くと、店員がサイズを測ってから一言「最初、洗濯すると15mm〜20mm縮みますので大きめのこのサイズをどうぞ」と云ってくれた物です。
これは、生地を作るときに、織機では、縦糸にテンションを掛け(引っ張り)交互にずらしながら横糸を入れて作ります。洋服を作るときには、この生地のテンションを元に戻してからカットして、縫製しなければ成りません。しかし、ほとんどの場合、確実に成されてはいないのです。その為、洗濯をする事で、テンションが戻り、生地本来のサイズに戻ります。その量がシャツの場合、15mm〜20mmなのです。ピッタリザイズを買っておれば着られなくなります。
最近の傾向としては、対面販売ではない店での購入が一般化されていたり、専門店などの対面販売の店でさえ、店員が説明をしなかったり(知らない[E:sad])で、消費者は、購入時点で考慮無く購入する為、今までは、常識であった事に対してクレームが起こるようになりました。特にビックリしたのは、専門店の店員ですら「クリーニングが悪い」と平気で毒づいている事です。勿論、専門店として失格ですよね!!
水で洗う場合、3〜5%は、縮むことがありますが、これが本来のザイズに戻っただけである事を覚えておいて下さい。[E:danger]

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漂白したら黄色くなった!!

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「漂白したのにかえって黄色くなった!!」と云った相談が最近よくあります。この漂白とは、「キッチンハイター」での漂白です。このキッチンハイターは、主成分が次亜塩素酸ナトリウムという薬品で作られており、強い、漂白、除菌作用があります。つまり キッチンで使われるフキンなどには最適な薬剤でもあります。しかし、このハイターを、衣料品やシーツに使うと、白く(漂白)するつもりが、逆に黄色く成る事があります。この黄色は、「ハイドロサルファイト(還元剤)」と言う薬品で元に戻るはずなのです。
が、元々白い繊維というのは、無く、生成の白が綿繊維本来の色で、ナイロンやポリエステルなどの化学繊維に於いては、黒みがかかっています。そのため、最近の繊維には、蛍光増白剤が使用され、白く染めていると考えて頂いても良いかと思います。
ハイターやハイドロを使った為に蛍光増白剤が取れ繊維本来の色に戻った為黄色や黒っぽく成った様に見えるのです。
それでは、「蛍光増白剤を付けると良いのでは」と考えるのですが、これが簡単には、付かないのです。有色の染料を使って染色補正をするより、光に反応して目の錯覚を利用して白色を表現する為、大変難しく蛍光灯の下では、解らなくても、太陽光の下やブラックライトなどでは、ハッキリと解る事がほとんどです。
衣料品の漂白には、「酸素系漂白剤」又は、「過炭酸ナトリウム」や「過酸化水素」等の主成分で、「色柄物にも使えます」と表示された製品を使うようにして下さいね!![E:club]

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節水型洗濯機−3

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節水型洗濯機について第3弾です。
以前、ATTS(繊維製品品質管理士のアパレルやクリーニング、家電、洗剤メーカー等々が集まる勉強会)において、洗濯機の評価試験が行われた結果発表の場に出席する機会がありました。5回 10回と同じ衣料品を洗濯し、縮などを詳しく検査していました。
クリーニング業を営む物として、驚いた事は、業務用の大型洗濯機で洗った場合と、家庭用の洗濯機で洗った場合とで、大差がなかった事です。業務用では、ある程度の熱量を加えて洗う為、家庭より縮が大きいのかと思っていたからです。
しかし、一機種だけ他より抜きん出て縮が少ない機種がありました。ビートウオッシュと云う特殊な洗浄方法の機種で、一時多くコマーシャルで見かけた記憶がお有りかと思います。時代は刻一刻と進歩しているのですね!!
次回 同じ様な評価試験が行われた時には、「流石に業務用は違う」と思える様な機械が出来ている事を切望する次第です。

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節水型洗濯機−2

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家庭用節水型洗濯機の第2弾です。
最近流行の節水型洗濯機。確かに洗濯のみで有れば節水に成っているそうです。
しかし、乾燥も同時に出来る、洗濯乾燥機。
この乾燥機能を使うには、大量の水を使用する事をご存知ですか?
ヒーターで洗濯物を乾燥した時に発生する水蒸気を水道水で冷却して水に戻して排水する為です。
これには、洗濯に使用した水と同量以上の水を使用しています。
一部の空冷式 もしくは ヒートポンプ式は水を使用していないそうです。
洗濯機を買い換える時には、宣伝文句に惑わされず、良く比較して購入する必要が有りそうです!!

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レーヨンのシャツ

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最近レーヨンのシャツが沢山持ち込まれてきます。しかも、夏物の半袖シャツです。ご存じの方も多いかと思いますが、レーヨンは昔、人絹と呼ばれパルプからシルクに似せた繊維を作り出した物で、光沢や肌触りが良いのですが、水に濡れるとすごく縮み、染色も弱いのが特徴です。
写真のように、雨や汗で色が出て来たり、汗を取る為に水で洗うと、大人用が子供用まで縮んだりします。汗が付いたままドライクリーニングのみで済ませると、来年着ようとすると黄変していたり、袖を通した途端に破れたりします。
カラフルで肌触りの良いレーヨンシャツですが、日本の様に高温多湿な所には不向きな衣料品で有る事を覚えておいて下さい。日本の夏には、綿や麻の素材が一番似合います。

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