裏には裏がある!



12月の苦情委員会の事例其の2です。
写真は、レーヨン60% ナイロン40%のレースのスカートです。クリーニング後、刺繍の端が飛び出し、ぷつぷつとした毛玉の様に成っているとの苦情です。
顕微鏡で拡大してみても原因の掴みにくい事例でした。
表と裏を良く々々観察してみると、裏の方が手触りが良く、綺麗なのです。そうです、縫製時に生地の裏表を間違えて作られた様です。現在メーカーに問い合わせ中です。

さて、年末は今日で終わりです。一年間御贔屓有り難うございました。
新年は、1月7日(月曜日)よりの営業です。
良いお年をお迎え下さい。
来年もよろしくお願いします。

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顧客の偽装


12月の苦情委員会の事例其の一です。
写真の商品は、綿96% ポリウレタン4%の婦人物の生成ジャケットです。クリーニングお渡しの際、お客様が襟の色が白く成っているのに気付き苦情になりました。

苦情品にブラックライトを充てて見ると2枚目の写真の様に蛍光染料が粉状に付着しているのが解ります。家庭用のコンパクト洗剤を振り掛けた様に見えます。クリーニング店ではドライクリーニングを行っており、お客様の家庭洗濯による物であることが解ります。それをクリーニング店の失敗の様に苦情を申し立てたのです。こういった事は詐欺行為に当たりますので、くれぐれもなさらぬ様!!!

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ラメの消失



今月の苦情委員会の事例其の2です。
写真は、クリーニング店において不適切な染み抜きにより、ラメが消失した事例です。
ラメ(スリット糸)は、ポリエステルフィルムにアルミ等の金属を蒸着させて作ります。
この金属が、染み抜き剤の(フッ化水素−さび取り液)により光沢を失ってしまったのです。

このラメの金属が化学反応により光を失うのは、一般的には、以下の場合があります。

1)高温多湿の環境に長期間放置された場合(ポリ袋が掛けられていると、蒸発と結露を繰り返して金属が腐食する)

2)天然ゴム製品、硫酸加工紙、ウール製品(加工などにより表面に硫酸が存在する場合など)と隣り合って接触していた場合(変色の状態からハンガー掛けで隣り合っていた?)

3)金属の衣装缶に入れると「電池の原理」で金属が消費される。

4)防虫剤(ナフタリン)が使用されていた。

等です。
染み抜きは、化学薬品や、熱、等の化学反応と、超音波振動などの力学により行われます。
その為、化学薬品や熱の影響を受けやすいラメが使われている素材は、ほとんど染み抜きが出来ないのです。
ラメ(スリット糸)が使われた商品は、豪華で、ファッショナブルかもしれませんが、染み抜きが出来ない事をご承知の上での購入及び着用をお願いします。

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ビトン マッキントッシュタイプのコート

今月の苦情委員会の事例其一です。
ルイビトンのマッキントッシュタイプのコートをクリーニングし自然乾燥したところ、裏地の脱色が表地に移染したのです。基本的には洗濯不可となるゴム引きのマッキントッシュと違い、(当店でも、たまにゴム引きのマッキントッシュのコートをお預かりしますが、大変苦労します。)ポリウレタンのバックコーティング地を使ったコートで、手洗い可となっています。しかし、マッキントッシュタイプの問題点として乾きに時間が非常に掛かる所は同じです。その為、ポケット等に入った水は、乾燥に時間が掛かり、ポケットに使われた生地は長時間濡れたままになります。表地と裏地の間も同様です。

また、防水用に、縫い目から水の侵入を防ぐために貼られたテープも、ウレタンを使用しています。ウレタンは染料が定着しにくい素材ですので、縫い目の糸に染料が移動し、表から見えるように成ります。2年ほど前にも同様な事例があったのですが、一部改良されては要る様ですが、不十分の様です。イタリア本国の水は硬度が高い硬水、日本は軟水、水の違いも有るようです。お国柄が伺われますね!
しかし、高価なコートですので、しっかりと染色された生地を使って貰いたい物です

(>_<)
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革コートの便利グッズを紹介します。

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朝晩すっかり寒くなってきましたね!
慌てて革のコートをクリーニングに持って来られるお客様が増えてきました。しかし、当店を含めほとんどのお店では、革や毛皮製品は専門店に外注しています。その為、早くても2〜3週間はお時間を頂いています。お急ぎのお客様には、表面の艶出し等のお手入れをお勧めしています。お店によっては、説明せずに、表面を拭くだけでクリーニング代を請求する店も有るそうなのでご注意下さい。
革のコートなどをクリーニングするのは日本ぐらいだと聞いております。諸外国では、着潰すのだそうです。
汚れの程度によりますが、普段は、表面処理程度のお手入れで済ませ、3〜4年に一度クリーニングするのがお勧めです。

そこで、私が、普段自分の革製品の手入れに重宝している物を紹介します。
「ウイルソン タイヤ&レザーワックス」
ホームセンターのカー用品売り場にて500円前後で売られているのですが、スプレーし乾いたタオルで拭くだけで、艶と撥水効果が得られる便利グッズです。革のコートだけでなく靴や鞄にも使える為、常に玄関脇にタオルと一緒に置いています。

本来は、名前の通り、車のタイヤ、ソフトトプ、内装等に使う為の製品ですので高価な物への使用は避け、目立たない所で試してから、自己責任にてお試し下さいね。
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金属ファスナーによる変色

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今月の苦情委員会は1点を除き、汗、光、擦れの組み合わせによる物ばかりでした。
(写真は金属ファスナーによる変色したパンツです。現物の写真を撮り忘れたので代用させて頂きます。)
苦情品は、綿の厚手のコートです。真鍮のファスナーに接した部分が赤く変色しており、クリーニングによるものではないかと云う物です。素材が綿なので、染料は反応または直接染料である可能性が高く、真鍮ファスナーの銅イオンが染料と反応して「錯化合物」を生成したものと推測されます。
原因としては、保管時の湿度と成り、顧客責任となります。
しかし、綿素材に不適切な真鍮ファスナーを使用した企画ですので、デメリット表示を付け、販売時の説明が必要でしょう。
色々な苦情があった場合、神戸市の消費生活センターを統括する兵庫県科学センターからは、説明責任を云われる事が度々あります。その都度、私は、PL方に基づく販売時の説明責任が先にあるはずであると、反論します。店頭での説明を行う際、多くのお客様は、「販売時に聞いていれば、この商品を買わなかった。詐欺にあったみたいだ。」と云われます。クリーニングに持って行ってから説明されても、遅いと思いませんか?

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コピー商品?

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苦情委員会の審査には、クレーム検査だけでなく弁償した商品を保険適用出来るかどうかの審査も有ります。
ほとんどは、店での「うっかりミス」による為に弁償した商品なのですが、店の勉強不足の為、明らかに商品に問題がある場合や、お客様の取り扱いに問題が有るにもかかわらずクレーム審査を得ずして弁償してしまった物が持ち込まれる事があります。
こういった場合、店側に情報を伝え、同じ様な事が起きない様に啓蒙する訳です。
今回の事例は、バーバリーのブルゾンで、ポリエステルの生地の裏に塩化ビニール(以下塩ビ)をコーティングしている物で、組成表示には、ポリエステル100%「手洗い不可」「ドライクリーニング」との外国語の表示のみの商品です。
塩ビは、ドライクリーニングは不向きで、ドライクリーニングをすると可塑剤が無くなり、バリバリに硬化してしまいます。塩ビ使用の表記が有れば防げる事故です。
塩ビに対する付記もなくドライ表示ですから、メーカーの責任が問われるべき事例です。
その上、輸入品を日本国内で販売するには、JISによる日本語表記ラベルの縫いつけが無いと違法販売になり販売店側の責任も問われます。(並行輸入品を扱うショップでも、販売時には、必ず日本語のケアラベルを付ける義務があります。しかし多くの店が違法な販売を続けています。)
以上の事でも、クリーニング店に弁償の義務は無いと考えられるのですが、よく見るとこのバーバリのケアラベルに違和感があり、コピー商品かも?
ブランド品の真贋を見抜く事は非常に難しいのですが、保険会社にも協力して貰い、真贋を確かめた後、コピー商品であるとハッキリした場合は、詐欺事件として顧客に返済を求め、場合によっては刑事告発もする事に成ると思います。

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不可解な事例

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今月の苦情委員会の事例も、相変わらず、汗、日光、ポリウレタンの経時劣化等お馴染みの事例のオンパレードでしたが、一つ不可解な事例がありました。
ブルーの綿コートなのですが、ドライクリーニングをすると、全体の色が斑々に成り、薄いピンクの輪郭状の変色や、輪郭状の蛍光反応等の症状が現れました。
それぞれの症状ごとに、保管時の濡れによる染料の劣化(斑)やカビ(蛍光反応)、汗(ピンク色の変色)、日光(変色)等の原因が考えられるのですが、すべての複合的な症状が同時に起きたとは考えにくく、又、一つ二つの原因に絞ることにも無理があり、結局原因不明と成りました。
不可解な事例も時として、書き込みますので、回答が解った方は、ご連絡お願いしますm(_ _)m

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色移り!

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溶けそうなほどの暑い日が続きますね(^_^;)
暑さに負けず、ご自愛下さい。
さて、今月の苦情委員会の変わった事例を一つ。
写真は、ビトンのバックです。この写真では解りませんが、白い部分にうっすらと赤く色移りがしています。
此は、クリーニングに出したばかりの黒いアルマーニの綿パンと擦れたのが原因です。パンツの一部も赤くなっていた為、クリーニングにより赤い染料がパンツに移り、それがバックに付いたのでは?と云う苦情です。
黒い色が移ったのでしたら、お客様も案外納得出来るのかも知れませんね!しかし、なぜ赤色が移ったのでしょう?
パンツが赤く汚れていた為ではありません。
昔、小学校の美術の授業で習った事を思い出して下さい。元々黒色の染料は無いのです。赤色と青色の染料を混ぜて黒色の染料が出来ています。
黒のパンツと白いバックが擦れる事によって、赤色の染料のみが移染したのです。

一つ覚えていて下さい。
この赤く移染したバックを綺麗にするのは、可能です。
しかし、絶対にしてはならない事があります。
濡れたオシボリや、洗剤を付けて拭いたりする事です。
移染した染料に水が反応する事で、色が定着して染まってしまう為、修復がより困難になります。
速やかに、信用のおけるお店に依頼するのがベストです。


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偽装?

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巷では、牛肉や、豚まん、薬 エレベーター等、色々な偽装が話題になっていますね(>_<)
先日、お客様との会話の中で出た、クリーニングにおける偽装の話です。
1)DXクリーニング疑惑
此は、もっとも一般的な偽装で、DX料金を取りながら、ハンガーや袋を良い物に変えるだけで、特別な事な何もしていない。(時折内部告発で表面化しています。)
2)染み抜き疑惑
染み抜きは一切して無いにもかかわらず、「プロが染み抜きしましたが取れませんでした」と云った説明をする。
此も良くある事例ですが、悪質なのは、シミの部分を高温のアイロンを掛け、次に染み抜きの上手な店に持って行かれても取れない様にする店が有ります。
3)洗って無い疑惑
セールで大量に集めた為処理しきれず、汚れが目立たない商品は、乾燥とプレスだけで納める。(毛布や、毛皮等で)
4)汗抜き疑惑
汗抜きクリーニングと称してオプション料金を取りながら、ドライクリーニングで多少水分を多めに取れる材料を使い、サラリとした風合いを出すシリコンなどで偽装している。
(ブラックライトなどで検査すると汗が取れていないのがハッキリ解ります。来シーズンに着ようとしたらシミや変色になっていた等クレームが多く見受けられます。)

等々クリーニングにおける品質偽装は、困った事ですが常に存在します。
先日もあるTV局が、背広の水洗いを依頼するのに、裏地をはずし、中にティッシュペーパーを忍ばせて実際に水洗がなされているかを検証していましたが、3店舗すべての店で不合格でした。特に1店舗(水洗専門の無店舗宅配専門店−背広上下¥3.600−)では、(3)のクリーニングすら行われて無い様な結果でした。残りは、(4)の様です。

普段着に於いても、正しい店を選んで、賢い消費者になって下さいね<(_ _)>


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