5月の兵庫県クリーニング組合苦情審査会の事例2です。
写真はスラックスの折り目部分です。
これもプリーツの一種です。
クリーニング後のプレスや、着用中の擦れによって折り目の山の部分が破れてしまいました。
素材表示は 毛100%となっていますが、モヘアが混紡されています。
その上、折り目がしっかりと付いており、折り目加工がされているのが分かります。
モヘアや強撚糸使いのスラックスには、シロセット加工等の折り目加工はNGなのです。
糸が堅いため折り目加工をする事により、刃の様に折り目が付き、繊維が折れ、摩擦や、加圧により、繊維の破断が生じます。
販売店が加工代の付加利益を上げるためや、販促等で、加工を勧めた物であると考えられますが、不適切であったのが原因に成っております。
夏物ウールのスラックスは、汗などによりすぐに折り目が緩くなりますが、モヘアや強撚糸使いのスラックスには、折り目加工は避けて下さい。(店員さんの誘惑に乗らず、折り目加工は断って下さいね!)
スラックスやヒダスカート等には、クリーニング店でも折り目加工の受付を行っている所が多くあります。(自店処理や外注)
この場合、二種類の加工が有る事をご存じですか?
1)シロセット加工(パーマ液に似た薬剤を使用)
2)リントラク加工(樹脂使用)
1)のシロセット加工はごく一般的なプリーツ加工ですが、
2)のリントラク加工は折り目の裏側に細くシリコン樹脂を塗る加工方法です。
リントラク加工の方が、汗や雨に強く、緩く成りにくいのですが、薄い生地の物には、表に樹脂が染み出す事が有り不適です。
素材に適した加工方法を選んで下さいね!
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