久しぶりの苦情審査会事例です。
ポリエステル地にレーヨン糸で刺繍されているワンピースです。
初めてのクリーニング後黒の刺繍糸から移染が見られたとの事。
メーカーへ調査依頼をしたところドライクリーニングによる逆汚染との鑑定でした。
しかし...
①逆汚染の場合、全体に汚染し、乾燥時には裾や縫い目付近に集中するが、当商品では見受けられない。
②メーカー報告書にある生地試験評価からも考察すると、夏物衣料であるにもかかわらず湿潤摩擦堅牢度が2-3級と非常に低い。(その他の検査では4-5級となっており非常にしっかりとした糸の様で、汗だけでは移染はしないと思います)
③汗が付きやすい箇所に移染箇所が集中している。
④内側生地や基布に色が付着している。
上記の事から、着用時に汗や雨等で湿った状態の時に、リュックやソファーの背もたれ等で擦られ、内側生地に刺繍の黒い染料が移染し、その後刺繍の基布にも移染拡大。クリーニングにより周りが綺麗に成った為顕著化した物と考えられます。
ドライクリーニングによる事故の場合、逆汚染と云えばクリーニング店は反論できないだろう的な鑑定には驚かされます。
又、刺繍の上にリュックを使ったのではと思われる着方にも....
時々、ミンク等の毛皮コートの上にリュックを使っているのを見かける事も有り、摩擦により毛の摩耗が顕著に出来る為、洋服を労って欲しいと思いながら見ています。
レースや刺繍、毛皮等にはリュックは天敵です!お気を付け下さいね!!