11月の兵庫県クリーニング組合苦情委員会の事例其の二です。
写真は浴衣の一部です。
赤い花びらの部分のみ破れており、脇の紺色の部分で破れが止まっています。
染色に、硫化染料が使用された為と見られます。
この硫化染料は、安価で、しっかりと染色される為重宝される染料ですが、しっかりとソーピング(濯ぎ)をしないといけません。
ソーピング不足になると、時間と共に余分な染料が分解していき硫化(強い酸性)していきます。その分解した染料自体が生地をボロボロにして行くのです。その為、近年日本においてはほとんど使用されなくなったそうです。しかし、中国では、ポピュラーな染料として、多用されていると聞きます。中国の染色工場では、下水処理施設が完備されていない工場がほとんどで、中国政府による下水の監視が近年厳しくなってきた為、ソーピングが不足する事が多く成って来ているとも聴いています。
黒や紺の濃色が多いと思っていましたが、今回の様な薄い赤は初めて見ました。
この事からも、クリーニング事故ではなく、製品不良であります。
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